シンデレラコンプレックス -Ryosuke.Y-

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先生は暑いのによくスーツを着ていられるな。


体育館の床に直に座るとスカートの中が暑い。


こめかみに伝う汗を指で拭いながら校長先生の話を聞いていた。


やっと終わったと思えば生活指導の先生が夏休みについてあれやこれや言っていた。

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ユキ「完全に寝てた〜。」


A「暑いのによく寝られたね。」


私はもう先生の話を聞きながら誰か熱中症にでもなったらどうするんだ、と思っていたけど。


ユキと体育館を出たら、廊下がいつもより涼しく感じた。

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教室内に入ればクーラーが効いていてもっと涼しい。


1学期の終わりの終業式を漸く終えたので、あとは成績を返してもらうだけだ。


ぶっちゃけ成績は良くない気しかしないので要らないんだけど。


その前に大掃除をしろ、と先生たちは箒を渡してきた。

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教室担当の子たちは羨ましいことに涼しいんだろう。


ユキと私は昇降口付近を掃除を任された。


ユキ「どうせすぐ土でまみれるから意味ないのにね。」


A「うん。」

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あまりやる気は起きないけど、テキトーに土を掃いた。


ユキ「あ、そうだ。Aに言わなきゃいけないんだけど。」


A「え？」


塵取りで土を集めていたら、ユキが申し訳なさそうに手を合わせた。

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ユキ「ごめん！夏祭りの日、おばあちゃん家行かなきゃいけなくなっちゃった。」


A「え！？...そっか。いいよ。」


ユキ「ほんとごめん！」


地元のいちばん大きな夏祭りは毎年ユキと欠かさず行ってたんだけど。

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今年はそうもいかないか。


浴衣を着ていくのは行けば楽しいけど、歩きづらいし、人は多いし、蒸し暑いし。


A「大丈夫、今年は家で...、」


ユキ「あ！せっかくだから裕翔と行ってきなよ。」

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A「...え？」


目の前のユキがニコニコと笑った。

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