シンデレラコンプレックス -Ryosuke.Y-

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「時間過ぎるの早かった〜！」なんて言いながら着替えている同じクラスの子に対し、

そうかな、50分授業ちゃんと長かったけどな、と思う。


体操着に袖を通して日焼け止めを腕に広げた。


ユキが忘れたと言うので、貸してあげる。


A「はあ...体育やだな。」

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運動が好きじゃない私は体育もあまり得意じゃない。


ため息をつきながらテニスコートに移動する。


グラウンドの真裏にあるテニスコートに向かったら、さっきまで喜んでいた子達は静まり返っていた。


どうやら男子はサッカーだから姿も見えないし意味なかったらしい。

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結局いつも通りに体育を行う羽目になった。


先生も暑くてそんなにやる気もなく、終了時間より早く終わる。


ユキ「暑すぎて溶けるかと思った〜。」


更衣室に充満する制汗剤の匂いに少しやられそうになる。

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ユキ「もうだめアイスたべたい。」


着替え終わったユキがハンディの扇風機を顔に当てている。


A「購買寄る？」


丁度今なら授業もまだやっているだろうし空いているだろう。

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いつもは人混みの購買もこの時間はスカスカだった。


品揃えが豊富なことに少しだけ驚く。


ユキ「これにしよーっと。」


アイスを取り出したユキが購買のおばちゃんにお金を渡していた。

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ユキ「Aは決めたー？」


アイスを頬張るユキが陳列棚を眺めていた私に話しかける。


A「あ、うん。」


これください、とお金を渡して冷たい紙パックを受け取った。

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授業が終わった知らせのチャイムが鳴る。


A「ユキ、先教室戻ってて。1組行ってくる。」


ユキ「え？...うん、おっけー。」


一瞬首を傾げたユキだけど、なにか納得したように手を振った。

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