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side 爆豪 勝己
“幽辺 郁”
うちの中学じゃ知らない奴はほぼいない
綺麗な顔だが無口で愛想がなくて“幽辺 翼”の双子の弟
二卵性の双子だからか顔は全然似ていないが兄にだけ普通に話す姿は周りと距離を取っていることをより明確にした
無個性のそいつはデクと同じように虐められているが反応も反論もしない、らしい
らしいと言うのも俺がそれを知ったのは中1の10月頃だった
張り出されたテストの結果を見ると一位の場所に俺ともう一つこの名前があった
そこで俺は初めてそいつの存在を認知したのだ
俺と並ぶなんてどんなやつだと教室をのぞいてクラスのやつに聞けば、少し長い黒髪にメガネをかけ窓の外を見ている地味なやつを指さす
拍子抜けだった、ひょろひょろで弱そうでパッとしない
心配なんてなくてもこいつが俺に勝てることなんてない
個性も勉強も運動も全て俺が優っている
そう思ってからはまた俺にとってこいつはただのモブに戻った
だが中3になったある日
朝からイライラしていた俺は騒がしい教室を1人抜けて屋上に向かった
そこには先客がいて、久しぶりに見た今年同じクラスになった“幽辺 郁”だった
幽辺は柵にもたれながら遠くを見ている
するとどこから来たのかスッと現れた1人の男がそいつを抱きしめた
幽辺の顔を見ると大粒の涙を流して泣いている
俺はそのままバレないように静かに聞き耳をたてた
『…離して翼
早く消えて、俺は呼んでないよ』
翼「郁、お前は普通科でいいのか」
『何言ってんの翼
他に行くところなんてないじゃんか
サポートも経営も興味ないよ』
翼「お前はヒーロ『翼』…」
『ヒーローは嫌いだって言ってるよね
…ヒーローなんてみんないなくなればいい』
翼？双子の兄か？でもそいつって死んだはずだろ
なんで普通に触れて話してんだよ
それにヒーローが嫌いってどういうことだ
ヒーローを侮辱する言葉が俺を苛立たせた
爆「おい！！テメェさっきから聞いてりゃあよ！
ずいぶん好き勝手言ってくれてんじゃねぇか！！」
俺が声をかけると2人は俺を驚いた目で見た
翼と呼ばれた男はすぐに消え2人になる
幽辺は何も言わずに俺の横を通り過ぎようとしたが俺はそいつの腕を掴んだ
爆「さっきのはテメェの個性か」
幽霊なんて見たことないし信じてない
『…離して』
あいつが俺と目を見るとそこで意識が途絶えた
気がつくとチャイムが鳴っていて急いで教室に戻れば昼休み終了のチャイムだったらしい
一杯食わされた気分だ
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ゆーゆ - 涙線ガバガバになりました…目がパンパンです()本当感動って感じの小説ありがとうございます… (2021年9月5日 2時) (
レス) id: 7bfda9e817 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぁ - 偽りの自分って感じじゃなくて、ただ二人で一人って感じがとても好きです。 (2020年10月18日 22時) (レス) id: 3f15dcefd5 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぁ - 何故か泣いてしまっていました。 (2020年10月18日 22時) (レス) id: 3f15dcefd5 (このIDを非表示/違反報告)
囚人 - 俺、泣いちゃいました。更新頑張って下さい！楽しみにしてます (2018年10月27日 23時) (レス) id: 235e75e60a (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - 45が抜けてますよ (2018年10月7日 23時) (レス) id: 79e4fb54ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すえさん
| 作成日時：2018年7月8日 13時
