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翌日学校へ行くと周りの奴らがわらわらと興味津々に集まってきた
「ヴィランと戦ったんだろ！？
話聞かせてくれよ！」
「入院してたってヴィランにやられたのか？」
「幽辺くんのこと心配してたの！
大丈夫だった？」
正直に言ってうざったい
馴れ馴れしいやつらだ
心配の言葉だって本当に心配してる訳じゃない
話しかけてくるやつらの顔に書いてあるのは全部好奇心だ
俺は何も言わずに席に荷物を置き教室を出る
廊下でもたくさんの視線が刺さってイライラする
とりあえず屋上で時間潰すか
朝から変に疲れてしまい足が勝手に急ぐ
屋上の扉を開け翼を呼ぶ
『…本当にうざったい』
今回の件に関して、いや全てだがズカズカと人の畑を荒らすのはやめてほしいものだ
事件のことを思い出して頭痛がして頭を抑える
翼が心配そうに俺の背中をさする
『…もうあそこには行きたくない
今回で改めてわかっただろ
俺には向いてないよ
何より…
自分が抑えきれそうにない』
目の前でいつも何かを失う恐怖を味わいながら生活できるほど俺は強くない
俺はずっと過去にしがみつくだけの臆病な弱者だ
そのことをわかっているし帰る気はない
今以上の何かを望むつもりはない
翼「…胸が痛いよ
郁が苦しむと俺も苦しい
郁がそんなに苦しむなら…逃げていいよ
無理やり行かせてごめんな郁」
翼の頭を撫でる手を握る
強く強く握った
けれど翼はそのまま俺をただ見るだけ
『…教室に戻ろう』
もう少しでホームルームの時間だと気づき屋上から出る
翼を消してからまた1人になる
担任が入ってくると1番に俺に労わりの言葉をかけたが適当に言葉を返して外を見た
担任の話が終わると最後に付け足すように昼休みに職員室へ行くように言われた
まあそうだろうとは思っていた
担任が教室を出ればまた他の奴らから視線を浴びたが全て無視して授業を受ける
昼休みになり職員室に入ると相澤先生が手を上げて俺を呼んだ
相「昨日目が覚めたばかりなんだろ
大丈夫なのか」
『別に怪我してた訳じゃありませんから
もう回復してます』
相「そうか
…事件のとき、お前が俺たちを個性で治癒してくれたと生徒たちに聞いた
ありがとな」
『…俺を呼んだ理由は礼を言うためですか？
ならもう戻りますね』
何度も掘り返さないでくれ
目の前であんなもの見せられて礼なんて嬉しくない
俺はあんたたちを助けた訳じゃないし助けたかった訳じゃない
そうせざるを得なかっただけだ
相「待て」
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ゆーゆ - 涙線ガバガバになりました…目がパンパンです()本当感動って感じの小説ありがとうございます… (2021年9月5日 2時) (
レス) id: 7bfda9e817 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぁ - 偽りの自分って感じじゃなくて、ただ二人で一人って感じがとても好きです。 (2020年10月18日 22時) (レス) id: 3f15dcefd5 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぁ - 何故か泣いてしまっていました。 (2020年10月18日 22時) (レス) id: 3f15dcefd5 (このIDを非表示/違反報告)
囚人 - 俺、泣いちゃいました。更新頑張って下さい！楽しみにしてます (2018年10月27日 23時) (レス) id: 235e75e60a (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - 45が抜けてますよ (2018年10月7日 23時) (レス) id: 79e4fb54ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すえさん
| 作成日時：2018年7月8日 13時
