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この人の魂は居場所をなくして彷徨ってる
そこにあるのは個性だけ
『もういいよ
きみはもう行って
俺はきみがいたことを忘れないから』
中身の抜けた体は本当にただの化け物になった
化け物は動かずそこに佇んでいる
早く相澤先生を助けなきゃ
ボロボロだ、全身ボロボロ
顔面も粉砕、両腕骨折に肘も肉が見えてる
借りた個性を使い少しずつ傷を治していく
『…ごめんなさいごめんなさい
お願い、すぐ治すから…いかないで』
涙が止まらない
泣いている場合じゃないのに
また目の前で失うのが怖い
翼「郁、落ち着いて
興奮したら個性が安定しなくなる」
『…相澤先生
やっぱり俺はあんたが、あんたたちヒーローが嫌いだ
自己犠牲を美徳とするヒーローが大嫌いだよ
でも誰もわかってくれないんだ
誰かを守り誰かに守られることを忘れ
みんな一方的な奉仕を求めるだけに成り下がった
それを受け入れて死んでいく人を見るのは
もう嫌なんだ
ヒーローとしての死を誇りだなんて思って欲しくない
悲しいことだって
…その先にはなにもないんだって
早くみんな気がついてよ』
だいぶ治せた
後はここから脱出してからでも問題ないはずだ
『翼 死「させないよ」！？』
いつのまにか個性が解けていたのか
さっき力を奪ったはずのヴィランが俺のすぐ近くにいた
やばい、先生を守らないと
バァァァン！
その物音に誰もが動きを止めそちらを向く
煙の中から現れたのは…
オ「もう大丈夫、私が来た」
オールマイト
…ギリギリ間に合ったね
気がつくとなぜか緑谷たちのところにいた
相澤先生もだ
オールマイトは俺たちに避難指示を出すとヴィランのもとへ赴く
みんなオールマイトの姿を見て圧倒されている
緑谷がかける心配の声に大丈夫だと白い歯を見せる笑うオールマイト
何度見ても思うよ
あなたのことを好きになれる日はきっと来ない
オールマイトから顔を背け相澤先生をおぶり出口へ向かう
俺よりも背が高い先生を持つのは大変だったけど翼が手伝ってくれた
他の奴らは俺に何か聞きたそうにしていたけどそれを無視するように歩く
《透視》で近くにヴィランがいないことを確認しながら出口付近に着き他の奴らと合流した
個性の使いすぎと体力がないせいで息が切れる
翼「郁、大丈夫？
一度解除した方がいいよ」
『…その前に
誰か怪我したやつは』
多分個性を解除したら意識が飛ぶ
だからその前に治癒を
麗「じゅ、13号先生が怪我してるの」
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ゆーゆ - 涙線ガバガバになりました…目がパンパンです()本当感動って感じの小説ありがとうございます… (2021年9月5日 2時) (
レス) id: 7bfda9e817 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぁ - 偽りの自分って感じじゃなくて、ただ二人で一人って感じがとても好きです。 (2020年10月18日 22時) (レス) id: 3f15dcefd5 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぁ - 何故か泣いてしまっていました。 (2020年10月18日 22時) (レス) id: 3f15dcefd5 (このIDを非表示/違反報告)
囚人 - 俺、泣いちゃいました。更新頑張って下さい！楽しみにしてます (2018年10月27日 23時) (レス) id: 235e75e60a (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - 45が抜けてますよ (2018年10月7日 23時) (レス) id: 79e4fb54ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すえさん
| 作成日時：2018年7月8日 13時
