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side 幽辺 翼
『「…あいつ、厄介だな』」
郁は俺の好きだった雑誌を読みながらふと口を開いた
あいつとはたぶん爆豪くんのことだろう
郁は俺になって勝己と呼んでいたけど名前呼びを許されたのは俺じゃないから俺は直さないでおこう
『「あいつは俺が尻尾を出すのを待ってるのか
はぁ、鬱陶しい
みんなみたいに俺のことは放っておいてくれればいいのに』」
翼「…郁
お前はそう思っていても周りはお前を放っておかないよ
それはお前が郁だからだ
みんなお前を放ってはおけないんだ
昔からそうだっただろ」
『「…さあ、俺はそう思ったことはない』」
郁は雑誌をテーブルに置くと時計を見て何も持たずに外に出た
キョロキョロと周りを見渡し1人歩いて行く
そして住宅街の寂れた小さな公園の前で郁は足を止めた
『こんにちは』
人のいないそこへ話しかける光景は周りから見たら変かもしれない
だがこれは郁の優しさの全てだった
「…お兄ちゃん、だあれ？」
『僕はきみのお母さんのところへ連れて行くために来たんだ
もう遅い時間だから早く帰らないとみんな心配してるよ』
郁は優しい笑みを浮かべその子の頭を撫でた
女の子はその言葉にぱあっと顔を明るくすると郁の手を握った
郁もその手を握り返しゆっくりと歩き出す
歩いて五分もしない少し寂れたアパート
102号室と書かれた扉には小さく津野と書かれていた
インターホンを押すと少し疲れたような女性が顔を覗かせる
『突然すみません
不躾ですがこの子が公園で待っていたので』
「！？…り、か？
りか！りか！どこに行ってたの！
っ心配したのよ！？」
泣きながらその子を抱きしめる女性はきっと母親だろう
女の子は不思議そうな顔をしながら女性の背中に手を回した
10分ほど泣き続けると女性はすみません、と一言謝り以下を部屋に通した
「…先程は急に泣いてしまいすみませんでした
この子を連れてきてくださりありがとうございました」
女性は頭を深く下げると郁は小さく首を振った
『いえ、僕が勝手にやったことですのでお気になさらないでください
こちらこそ、突然すみませんでした』
郁も深く頭を下げると女性はそんなことありません、と優しい笑みを浮かべた
『…それと、もう一つ選んで頂かなければいけないことがあるんです
この子の、りかちゃんのことで』
「りかの…どんなことでしょうか」
女性の顔は不安を表した
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ゆーゆ - 涙線ガバガバになりました…目がパンパンです()本当感動って感じの小説ありがとうございます… (2021年9月5日 2時) (
レス) id: 7bfda9e817 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぁ - 偽りの自分って感じじゃなくて、ただ二人で一人って感じがとても好きです。 (2020年10月18日 22時) (レス) id: 3f15dcefd5 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぁ - 何故か泣いてしまっていました。 (2020年10月18日 22時) (レス) id: 3f15dcefd5 (このIDを非表示/違反報告)
囚人 - 俺、泣いちゃいました。更新頑張って下さい！楽しみにしてます (2018年10月27日 23時) (レス) id: 235e75e60a (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - 45が抜けてますよ (2018年10月7日 23時) (レス) id: 79e4fb54ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すえさん
| 作成日時：2018年7月8日 13時
