轟くんの幼馴染は花魁男子 (ページ8)

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吉原の花が8輪ページ8

その後担任が入ってきて

唐突に体操服に着替えグランドに集合と言われた

みんなが不思議がる中

担任から配られた体操服を受け取り

しのと更衣室に向かった

着替え始めようとすると

背中から視線を感じて振り返る

するとほとんどの男がしのを見ている

しのは見られることに慣れているため

気にしていないらしいが俺が気になる

『ふむ

そんなにわっちが男か疑ってるんでありんすか？

残念ながらわっちは正真正銘男なんでありんす

まあ

女の姿がご所望なら後ほどお見せしんしょう』

手の甲で口を隠しながら目を細め微笑む姿は

いたずら前の子供のようだが少しの色気を感じる

固まっている奴らを置いてしのは先に出て行く

グランドに向かう途中

焦「“アレ”もやるのか」

そう聞くとニヤリと笑って答える

『ぬしを楽しませるのは“遊女”の嗜みでありんす』

焦「お前は遊女じゃなくて男だろ」

と返せば

『わっちの性別は男でありんすが

老若男女問わず

ぬしの【理想】を叶えられるんでありんす

だからわっちは“遊女”でござんす』

その言葉とともにちょうどグランドに着く

しのはどこから出したのか煙管をふかせはじめた

担任は渋い顔でこちらん見ているが

しのは知らん顔でふかせる

まあこれから個性を出すためだからと放っておく

全員が集まると

これから個性把握テストをすると言われた

どうやら入学式やガイダンスはしないらしい

そして誰かの発言により再開のやつは除籍

その言葉でみんな騒然とする

だが、やはりしのは変わらず笑っている

『ふむふむ

わっちの個性は使いにくそうでありんすなぁ

どうやって使うか

これは力の見せ所になりんす』

出席番号順にやるらしくしのは最後だ

まずは50メートル走

俺は個性で氷を出しその上を滑ったが

しのはあの個性でどうするのだろうか

1人余ったしのは1人スタートラインに立つ

煙管をふかしながらにこりと微笑んでいる

その姿はこれから走るようには全く見えない

変わる様子はないためスタートの音がなる

そしてその瞬間

しのはトンッとゴールの線を踏んだ