ベビーシッター部にスカウトされました

不審者 ページ7

鹿島 side



今日は寒い中一限から体育

体操服一枚では凍えそうだ


「りゅー！！」


そんな中元気な声で呼ばれて振り返ると

保育ルームのみんながお散歩に来ていた


みんなはカゴのようなものから出てくると

駆け寄って来てくれる


やっぱり子どもってあったかいな


と感じていたら同級生たちも温まりたいと

子どもたちを追いかけ始めた


子どもたちはみんな逃げ回っているが

拓馬くんは植木の向こうに入り込むのが見えた



竜「たくまく〜ん！！

戻っておいで〜！！っ不審者！？！？」



拓馬くんが知らない人に抱き上げられた

誘拐犯！？

急いでそちらに駆け寄ると

狼谷が投げた方が見事命中してその人は倒れた


近寄ると拓馬くんは全然警戒していないので

知り合いなのかと聞くと______まさかのお父さん

そして


『…そんな怪しい格好でそこから見ていたら

不審者と間違われて当然よ』


どこから現れたのか狐坂さんがいた

狐坂さんは拓馬くんを抱き上げると


『悪いのだけれど

この人を保育ルームまで連れて行ってもらえる？』


苦笑いで頼まれたので狼谷と2人で運ぶ

先生には説明してくれたようで

授業をぬけても問題なかった


みんなで保育ルームに戻り

狐坂さんが拓馬くんたちのお父さんの処置をした

みんなが落ち着いたところで話し始めた

聞くと彼は今人気の俳優さんで

騒ぎにならないようにという気遣いだったらしい






でも何よりも驚いたのが


『迷惑をかけてごめんなさい愚兄が(・・・)』


「「え？／は？」」


その言葉に俺と狼谷だけが反応した

え？愚兄ってことは狐坂さんのお兄さん！？

驚く俺たちの横で愚兄という言葉に傷ついたらしい

狸塚さんがメソメソしている



『いい加減このくらいの言葉でメソメソしないで』


そちらを見ずに言葉で制する狐坂さんは強い

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