行方不明者 ページ21
なんとか彼らから逃げ切り
ホテルに戻る
すると
律己の元気がないことに気がついた
『りっちゃん？どうしたの？
疲れた？』
私が聞くとふるふると首を横に振る
『なら、どうしたの？
具合悪い？』
そう言ってもまた首を横に振る
律「…ママ
僕のパパはだあれ？
どこにいるの？」
涙目で小さく震えている
今までは思っていても口に出さなかったのだろう
それなのに
彼が父親の話をしたから
『…りっちゃん
ごめんね、ごめん、ごめんなさい』
私の口から言うことはできない
(彼を父親だと言ってしまえば
きっとあなたは会いたくなってしまうから)
私がそう言って泣きながら抱きしめると
律己もわんわんと泣き出した
(ごめんね、こんな母親で
あなたの父親が誰かも口に出すことができなくて
あなたを苦しませてしまって)
泣き疲れて眠ってしまった律己をベッドに寝かせ
お風呂に入る
(明日からどうしよう
このままここにいるのは危険かもしれない
また明日も会ってしまったら
次はきっと逃げられない
彼は私の個性の欠点を知っているから)
お風呂から上がり、まだ眠る律己を撫でる
(まだこんなにも小さく幼いこの子に
私はどんなに負担をかけてしまっているのだろう
いつかは言わなければならない時がくる
いつかは話し合わなければいけない時がくる
そんなことはわかっている)
けれど
私はまだそんな現実から逃げ続ける
私は律己を抱きしめながら眠りについた
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Yuy29 - とてもいい作品だと思います！この先のお話も見てみたいです！！ぜひ次のお話もかいてください！！お願いします。 (2018年7月25日 20時) (
レス) id: 298780871c (このIDを非表示/違反報告)
うさたま(プロフ) - お願いです！このまま更新停止をしていたら、もったいないです！凄くいいお話なので！ゆっくりでも待ちます！頑張って下さい！他の作品も応援してます！ (2018年4月28日 16時) (レス) id: 2ffea79b62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すえさん
| 作成日時：2017年12月25日 18時
