45＿諦めるな ページ8
二人とも血まみれだったが、A嬢の方が立っていたのでA嬢の血は返り血なんだと理解した。
主と旦那は倒れこんでいる元施設長を拘束しに行く。俺は、俺達が入ってきても振り向くこともなければ動くこともしないA嬢の元へ近づいて行った。
オビ「俺達は必要なかったみたいだね・・・A嬢？」
話しかけてもやはり動きもしなければ答えもしない。
(何かおかしくないか？)
そう思った次の瞬間、いきなりA嬢が後ろに倒れそうになる。
オビ「っ！A嬢？！ちょっとA嬢！どうしたんですか！」
咄嗟にA嬢の体を受け止める。
(熱い！)
受け止めたA嬢の体はマント越しでも伝わってくるくらい熱く、A嬢自身は息遣いが荒くとても苦しそうだった。
ゼン「どうしたんだ？オビ」
元施設長の拘束が終わった主が近づいてくる。
オビ「主、熱です。A嬢が何故かすごい熱を出して苦しんでいるんですよ！」
ゼン「何？！それなら早く白雪を呼ぼう。ミツヒデ頼めるか？」
ミツヒデ「あぁ！」
そう言って旦那が出ていこうとすると、
サラ「・・・ふふっ、もうそいつは助からないよ」
と元施設長が言う。
オビ「助からない？どういうことだ」
俺は元施設長を睨めつけながら問い返す。
サラ「そのままの意味だよ。そいつは大量の毒を飲んだんだ。それと合わせて能力を使った。自らの力を高める代わりに、長時間使用後かなりのダメージを受ける能力をね。正常な状態でも十五分以上使うと危険と言われている能力を毒を飲んだ状態で一時間位も使用したんだ。もう助からなくて当然でしょ」
何？知らなかったの？とでもいうような顔で説明している元施設長。
ゼン「嘘・・・だろう・・・」
主がぽつんと呟く。旦那も俯いて何も言えなくなっている。
(A嬢が死ぬ？)
未だに俺の腕の中で苦しそうに呼吸をしているA嬢の顔を見ながら様々な考えが浮かぶ。
(・・・どうせ今は監視する期間だったんだ。そこまで思い入れがあるわけではないはずだ。人が死ぬところも死なせてしまった事も何度もある。なのに・・・)
どうしてこんな気持ちになるんだ！
短い期間のA嬢の表情や行動が次々と思い出される。
俺やお嬢さんを庇って大怪我をしたところ、水汲みに行って一人で重い水を運ぼうとしていたところ、どんな場面でもA嬢は無表情だった。しかし、最後に思い出された顔が離れなくなる。
オビ「・・・諦めたらだめだ」
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オビ大好き(プロフ) - ミルさん» 返信、更新が遅くなってしまいすみません。コメント本当にありがとうございます！少しずつですが頑張っていきます、楽しんで読んで頂けると嬉しいです。 (2017年12月5日 22時) (
レス) id: 18b5cfd9e7 (このIDを非表示/違反報告)
ミル - とても面白いです！更新頑張って下さい！！ (2017年10月10日 21時) (レス) id: 31845f0f7d (このIDを非表示/違反報告)
オビ大好き(プロフ) - コハルさん» コメントありがとうございます。更新が遅くなってしまい申しわけありません。今後も楽しく読んで頂けると嬉しいです。 (2017年7月20日 13時) (レス) id: feff5c808f (このIDを非表示/違反報告)
コハル - すっごくおもしろいです！応援してます！！がんばってください！！！ (2017年7月18日 19時) (レス) id: ac42cc4477 (このIDを非表示/違反報告)
オビ大好き(プロフ) - ハルさん» とても力になるコメント、応援有難うございます！なるべく早く、沢山更新できるよう頑張ります。なので楽しみに待って頂けると嬉しいです。また、意見や良かった感想など教えて頂けると嬉しいです。これからも楽しんで読んで頂けるよう頑張ります。 (2017年6月1日 23時) (レス) id: feff5c808f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クリオロ | 作成日時：2017年5月3日 17時
