74-2_約束 ページ41
(私が直そうとする?という事は私が嘘をつく時は何か同じ言動をするという事?)
今までの行動を振り返ってみても特に何かしたという記憶はない。無意識とはこういうものなのか。
A『…貴方にはエスパーの力でも備わっているの?』
万が一のことも考えて一応聞いてみる。すると驚いた、とでも言うように目を丸くしてからニコッと笑い、「そうかもしれませんねぇ」などと馬鹿にしてきた。
(…聞いた私がおかしかった)
やはり人の心を読める人なんているわけがない。取り敢えず今この体勢をどうするものかと考える。
A『…そろそろ放してくれない?』
そう言うとオビはあの胡散臭い笑顔からスッと真顔に戻る。
(まだ話が続くのかしら?)
オビ「いいですよ」
A『…え?』
てっきり放してもらえないものと思っていたので、意外な返しに驚く。
オビ「俺と1つ約束してくれたらね」
やはりそう簡単に放してもらえるわけでは無いらしい。
A『…何』
するとオビはまた顔を近づけて耳元で囁く。
オビ「これから暫くは俺の近くにいること」
A『…嫌』
何故私がそんな事を約束しないといけないの。1人の方が動きやすいのに。必要以上に近づかないと決めたのに。
そう返すとオビは
オビ「じゃあこの手は放せないね」
あのふざけた顔じゃなく、先ほどと変わらない真面目な顔で言ってくる。
(そんな事約束して何の意味があるの。私なんか放っておいてくれればいいのに。…行動するだけで一緒の働きはしなければ約束は守られることになるか。嘘じゃないし、そうしておこう)
A『…わかった』
オビ「約束するんですね?」
再度確認するかのように覗き込んでくる。
A『…えぇ』
嘘じゃないと判断出来たのかゆっくりと離れてを放す。
オビ「約束しましたからね?」
今度はにっこりとして言われた。
(何がそんなに嬉しいの)
理解できず、またしようともせず自由になったので部屋から出て行こうとすると、慌ててオビが追いかけてくる。
オビ「ちょっとちょっとA嬢、どうせ同じところ行くんだから置いてかないでよ!」
A『…どうして一緒に行かなきゃいけないの』
オビの事を見向きもせず答える。
オビ「近くにいるって約束したんだからいいじゃないですか」
そう言って後ろで手を組み鼻歌を歌いながら隣で歩き始める。そんな横顔をチラッと盗み見る。…さっきも思ったけど顔立ちは格好いいな。
ドクン
何だか胸で変な音がした気がした。
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オビ大好き(プロフ) - ミルさん» 返信、更新が遅くなってしまいすみません。コメント本当にありがとうございます!少しずつですが頑張っていきます、楽しんで読んで頂けると嬉しいです。 (2017年12月5日 22時) (レス) id: 18b5cfd9e7 (このIDを非表示/違反報告)
ミル - とても面白いです!更新頑張って下さい!! (2017年10月10日 21時) (レス) id: 31845f0f7d (このIDを非表示/違反報告)
オビ大好き(プロフ) - コハルさん» コメントありがとうございます。更新が遅くなってしまい申しわけありません。今後も楽しく読んで頂けると嬉しいです。 (2017年7月20日 13時) (レス) id: feff5c808f (このIDを非表示/違反報告)
コハル - すっごくおもしろいです!応援してます!!がんばってください!!! (2017年7月18日 19時) (レス) id: ac42cc4477 (このIDを非表示/違反報告)
オビ大好き(プロフ) - ハルさん» とても力になるコメント、応援有難うございます!なるべく早く、沢山更新できるよう頑張ります。なので楽しみに待って頂けると嬉しいです。また、意見や良かった感想など教えて頂けると嬉しいです。これからも楽しんで読んで頂けるよう頑張ります。 (2017年6月1日 23時) (レス) id: feff5c808f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クリオロ | 作成日時:2017年5月3日 17時