41＿今するべき事 ページ4
オビ「A嬢、その目は・・・？」
A『・・・』
A嬢はこちらを向くこともなければ答えようともしない。
サラ「いいの？その力を使って。確かにその力を使えばあたしを倒せるかもしれない。でもあんたも危ないんじゃないの？ただでさえ今のあんたは毒を・・・」
A『黙って』
まだ紅く染まっているその両目で元施設長から目を離さずに告げる。驚くほどの殺気を放っているのにも関わらず、A嬢は無表情のままだ。一体このお嬢さんの過去には何があったんだ・・・。
A『・・・私は別にどうなってもいい。例え死んでも。どうせ今の私にはお父様とお母さまの敵を取ることしかすることがないもの』
オビ「A嬢・・・」
一瞬殺気が弱まったがまたすぐに高くなる。そして、A嬢はもう一度しっかりと刀を握りなおした。
サラ「ふぅん。ま、どうでもいいけどさ。そっちがやる気ならこっちもやるからね。後悔しないでよ」
そう言うと元施設長もA嬢に負けないくらいの殺気を放ち始めた。
A『・・・オビ、貴方が今何をするべきかわかっているよね？』
俺がするべきこと？・・・あぁそうだねわかっていますよ。
オビ「えぇ、わかっていますよ」
A『・・・ならいい。早く動いて』
オビ「了解しましたよ。A嬢」
ずっと遠くから見ていた俺は部屋のドアの方へ足を進める。
俺が今するべき事？そんなの一つしかないでしょう。
そしてドアノブを開ける・・・事無くスルーし、A嬢の隣へ行き構えの姿勢をとる。
A『？！なにをしているの。貴方が今するべき事は何かということがなにかわかっていないの？』
A嬢は本当に驚いたようで元施設長から目を離しこちらを見ながら言ってくる。
オビ「いいえ。わかっていますよ」
今度は俺がA嬢を見ることなく答える。
オビ「俺のするべき事はA嬢を守って主のところに戻ることですから」
A『そんなことする前に・・・』
オビ「”絶対に離れない”って言ったでしょう。A嬢が何と言おうとも俺はここにいますよ。例え主から来いと言われてもね」
今度はしっかりと目を見ながら言った。紅く染まっている両目がとても綺麗に思えた。
俺の言葉にA嬢は誰にも聞こえない声で何か言っていたようだが、それが終わるとまた元施設長に向き直った。
A『・・・後悔しても知らないから』
オビ「！後悔なんてしませんよ」
そう言って元施設長の方へ向かって行った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 173人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
オビ大好き(プロフ) - ミルさん» 返信、更新が遅くなってしまいすみません。コメント本当にありがとうございます！少しずつですが頑張っていきます、楽しんで読んで頂けると嬉しいです。 (2017年12月5日 22時) (
レス) id: 18b5cfd9e7 (このIDを非表示/違反報告)
ミル - とても面白いです！更新頑張って下さい！！ (2017年10月10日 21時) (レス) id: 31845f0f7d (このIDを非表示/違反報告)
オビ大好き(プロフ) - コハルさん» コメントありがとうございます。更新が遅くなってしまい申しわけありません。今後も楽しく読んで頂けると嬉しいです。 (2017年7月20日 13時) (レス) id: feff5c808f (このIDを非表示/違反報告)
コハル - すっごくおもしろいです！応援してます！！がんばってください！！！ (2017年7月18日 19時) (レス) id: ac42cc4477 (このIDを非表示/違反報告)
オビ大好き(プロフ) - ハルさん» とても力になるコメント、応援有難うございます！なるべく早く、沢山更新できるよう頑張ります。なので楽しみに待って頂けると嬉しいです。また、意見や良かった感想など教えて頂けると嬉しいです。これからも楽しんで読んで頂けるよう頑張ります。 (2017年6月1日 23時) (レス) id: feff5c808f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：クリオロ | 作成日時：2017年5月3日 17時
