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57_改めて見た顔 ページ22

オビ「A嬢!っと」

ハルカ侯が見えなくなってから俺はA嬢の横へ降り立つ。

オビ「薬室からすぐにいなくなったから探しましたよ」

A『...さっきから見ていたでしょう』

オビ「あ、やっぱりバレてました?」

うまく隠れていたつもりだったけどA嬢は誤魔化せなかった。体力は多少落ちても感覚は落ちないんだね。流石と言うべきか恐るべきと言うべきか...。

オビ「それはそうとA嬢、これはどこに向かっているんですか?このままだとどう考えても訓練場に着くと思うんですけど」

A『...どこでもいいでしょ』

A嬢はそっけなく答える。やはり訓練場に行く気だね。
俺はA嬢の前に立ちはだかり、道を塞ぐ。

オビ「それがよくないんですよねぇ、お嬢さんに怒られるの俺なんで」

にっこり笑いながらそう言う。

A『...どいて』

A嬢は笑うことなく言う。

(いつ見ても笑わないな)

そう思うと同時に無意識に手を伸ばし顔に触れる。するとA嬢は驚いたのかやっと俺の顔を見た。改めてよく見たA嬢の顔は日焼けなどしたことないとでもいうように白く、無表情ながらもとても綺麗な顔をしていた。

オビ「A嬢ももっと笑ったらどうですか?」

絶対に似合いますよ、と言うとA嬢は一瞬悲しそうな顔をした後俺の手を払い顔を背けてしまった。

オビ「A嬢?」

A『...笑うだなんてくだらない』

そうして突然回れ右をするとあっという間に何処かへ行ってしまった。

(一体、A嬢の過去には何があったんだ...?)

まだ少しA嬢の感覚が残る手を見つめ考える。



オビ「はぁ、だめだ。今の俺にわかることは殆どない」

A嬢の過去にあったことで知っていること、それはあのサラとかいう奴に両親が殺されたということくらいで、その後どうなったのかも、どうやってあの技術を身に着けたのかも俺は何も知らない。考えれば考えるほど謎が深まるだけだ。だから...









(笑っている顔が見たい。俺が笑わせてやりたい)

そう決心し俺は開いていた手をぎゅっと握りしめた。

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オビ大好き(プロフ) - ミルさん» 返信、更新が遅くなってしまいすみません。コメント本当にありがとうございます!少しずつですが頑張っていきます、楽しんで読んで頂けると嬉しいです。 (2017年12月5日 22時) (レス) id: 18b5cfd9e7 (このIDを非表示/違反報告)
ミル - とても面白いです!更新頑張って下さい!! (2017年10月10日 21時) (レス) id: 31845f0f7d (このIDを非表示/違反報告)
オビ大好き(プロフ) - コハルさん» コメントありがとうございます。更新が遅くなってしまい申しわけありません。今後も楽しく読んで頂けると嬉しいです。 (2017年7月20日 13時) (レス) id: feff5c808f (このIDを非表示/違反報告)
コハル - すっごくおもしろいです!応援してます!!がんばってください!!! (2017年7月18日 19時) (レス) id: ac42cc4477 (このIDを非表示/違反報告)
オビ大好き(プロフ) - ハルさん» とても力になるコメント、応援有難うございます!なるべく早く、沢山更新できるよう頑張ります。なので楽しみに待って頂けると嬉しいです。また、意見や良かった感想など教えて頂けると嬉しいです。これからも楽しんで読んで頂けるよう頑張ります。 (2017年6月1日 23時) (レス) id: feff5c808f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クリオロ | 作成日時:2017年5月3日 17時

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