53＿名前 ページ19
カンッカンッ カンカンッ
A嬢が身分証を受け取ってから一日、一か月眠っていたことによりうまく動かなくなってしまった体を元に戻すかのように城の兵士に混ざり黙々と稽古をしていた。
カンッカンッ キィン
A『・・・次』
カンカンカンカン、シュッ キィン
A『・・・次』
目覚めたすぐ後は窓枠に足を引っかける程体が動いていなかったのに今になっては昨日まで眠っていたことが嘘かと思うほどに動いていた。
しかし、やはり体力は落ちているようで少し息が切れてきている。
(まぁ、それでも負けることがないのがすごいけどね)
俺が来た時点ですでにA嬢は半分以上の兵士を倒していた。
もうかなり長い間稽古しているA嬢。気付いていないのかわざとなのかは分からないが、この調子だと誰かが止めに入らないと辞めることがないだろう。
オビ「はい、A嬢そこまで。病み上がりなのにいきなり動きすぎですよ。また別の怪我でもして動けなくなったらどうするんですか？」
丁度一段落したところでA嬢に近づき横抱きにする。いわゆるお姫様抱っこというやつだ。
A嬢は相変わらずフードを被っていたが、横抱きにしたことで表情が少し見える。
A『・・・一人で歩けます。降ろしてくださいオビ殿』
少し顔を背けて話すA嬢。目を合わせないってことは本心では無いことを言っているのか。
オビ「A嬢何処か痛めたんじゃないですか？」
するとA嬢の体が本当に僅かな一瞬、硬直した。そして、やはり目を合わせることなく『・・・そんなことありません』と言った。
(凄くわかりやすいお嬢さんだ)
わかりやすすぎるA嬢に、思わずふっと笑ってしまう。
すると今度はしっかりとこちらの目を見て『・・・早く下ろしてもらえませんか』と言ってくる。
オビ「そうですねぇ、じゃあ俺のことを呼び捨てにして敬語も外してくれたら下ろしますよ」
A『・・・無理です』
オビ「それじゃあ下ろすのも無理ですね」
そう満面の笑みで言えばフードの奥から睨んでくるA嬢。
A『・・・・ビ・・・て』
オビ「ん？何か言いましたかA嬢」
近くにいたので聞こえていたけど、あえて聞こえなかったふりをする。
A『オビ下ろして！』
オビ「はい、よくできました」
約束通りA嬢を下ろす。でもそこはもう薬室の前。
オビ「これからも敬語は外してオビと呼んで下さいね、A嬢？」
54＿安静に→←作者からのお礼とお詫び。読まれなくても大丈夫です。
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オビ大好き(プロフ) - ミルさん» 返信、更新が遅くなってしまいすみません。コメント本当にありがとうございます！少しずつですが頑張っていきます、楽しんで読んで頂けると嬉しいです。 (2017年12月5日 22時) (
レス) id: 18b5cfd9e7 (このIDを非表示/違反報告)
ミル - とても面白いです！更新頑張って下さい！！ (2017年10月10日 21時) (レス) id: 31845f0f7d (このIDを非表示/違反報告)
オビ大好き(プロフ) - コハルさん» コメントありがとうございます。更新が遅くなってしまい申しわけありません。今後も楽しく読んで頂けると嬉しいです。 (2017年7月20日 13時) (レス) id: feff5c808f (このIDを非表示/違反報告)
コハル - すっごくおもしろいです！応援してます！！がんばってください！！！ (2017年7月18日 19時) (レス) id: ac42cc4477 (このIDを非表示/違反報告)
オビ大好き(プロフ) - ハルさん» とても力になるコメント、応援有難うございます！なるべく早く、沢山更新できるよう頑張ります。なので楽しみに待って頂けると嬉しいです。また、意見や良かった感想など教えて頂けると嬉しいです。これからも楽しんで読んで頂けるよう頑張ります。 (2017年6月1日 23時) (レス) id: feff5c808f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クリオロ | 作成日時：2017年5月3日 17時
