52−2＿私なりの ページ17
Aside
オビの言葉に私はとても驚いた。確かに表の人にしては腕がかなり立つとは思っていたけど、まさか裏の仕事をしていた人間だったとは。
オビ「主もお嬢さんも俺がそういう人間と知りながら、それでもここに居させてくれるんですよ。ならA嬢だってここにいられるに決まっているでしょう？」
いられるに決まっている？どうして？どうして本人には聞いてないのにそんなことが言い切れるの？どうしてお互いをそんなに信じていられるの？私は、私は・・・
A『・・・私は、私はきっと誰も信じられない』
そう、私は誰も信じられない。信じてはいけない。だから、私にもう期待させるようなことを言わないで・・・！
オビ「それでもいい。例えA嬢が俺達のことを信じられなくても俺達がA嬢のことを信じるから。ですよね？主？」
オビはそう言ってゼン王子殿下の方へ振り向く。
ゼン「あぁ、オビの言う通りだ。俺達はAに何があったのか知らない。だから無理に俺達を信じろとは言わない。だが、俺達はAを信じる。このことは絶対に変わらない」
(どうして・・・)
そう思った時にはもう、私の目から涙が溢れ出してきた。
A『なにこれ・・・止まらない・・・』
もう人間なんて信じない、と決めていたのに、それなのにどうして、どうしてこの人たちはこんなにも期待してしまうことばかり言うのだろう。どうしてこんなにも信じたいと思ってしまうのだろう。
止め方を知らない、止まることを知らない私の涙。それを見て驚いたのかキキさんやゼン王子殿下、オビや白雪が声をかけてくる。
沢山呼びかけられてようやく私は今自分がいる場所と状況を思い出し、落ち着く。
オビ「A嬢？」
私が落ち着いたのを見てオビが声をかけた。
A『・・・本当に私がここにいてもいいのですか、ゼン王子殿下』
ゼン「なに？」
私は覚悟を決めゼン王子殿下に向き直る。これは私なりの賭けだ。
A『・・・私は裏の人間です。いつかあなたを裏切るかもしれない』
真っ直ぐに王子殿下を見て、はっきりと告げる。するとゼン王子殿下は突然の言葉にきょとんとしたかと思うと直ぐにふっ、と笑った。
ゼン「ふっ、はははっ。いいさ、その時は俺やキキやミツヒデ、オビが全力でお前の目を覚まさせてやるから」
そうこなくっちゃ。
A『ならいいです。私はゼン殿下付伝令役としてもう少しここにいさせてもらいます』
そう言って私は身分証を受け取った。
作者からのお礼とお詫び。読まれなくても大丈夫です。→←52＿同じ世界
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オビ大好き(プロフ) - ミルさん» 返信、更新が遅くなってしまいすみません。コメント本当にありがとうございます！少しずつですが頑張っていきます、楽しんで読んで頂けると嬉しいです。 (2017年12月5日 22時) (
レス) id: 18b5cfd9e7 (このIDを非表示/違反報告)
ミル - とても面白いです！更新頑張って下さい！！ (2017年10月10日 21時) (レス) id: 31845f0f7d (このIDを非表示/違反報告)
オビ大好き(プロフ) - コハルさん» コメントありがとうございます。更新が遅くなってしまい申しわけありません。今後も楽しく読んで頂けると嬉しいです。 (2017年7月20日 13時) (レス) id: feff5c808f (このIDを非表示/違反報告)
コハル - すっごくおもしろいです！応援してます！！がんばってください！！！ (2017年7月18日 19時) (レス) id: ac42cc4477 (このIDを非表示/違反報告)
オビ大好き(プロフ) - ハルさん» とても力になるコメント、応援有難うございます！なるべく早く、沢山更新できるよう頑張ります。なので楽しみに待って頂けると嬉しいです。また、意見や良かった感想など教えて頂けると嬉しいです。これからも楽しんで読んで頂けるよう頑張ります。 (2017年6月1日 23時) (レス) id: feff5c808f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クリオロ | 作成日時：2017年5月3日 17時
