49_風 ページ13
Aside
フワッ・・・
A『・・・ん』
何処からかとても心地よい風が吹いている。
(いつ以来かな・・・。風が心地いいと思ったのは)
十年前かな・・・?お父様もお母様もまだ生きていて毎日笑って暮らしていた日々。
風でなくともそこにいるだけで心地よいと思えてしまう場所。もう過去になった日々が鮮明に思い出される。
お父様とお母様が殺されてしまってから今まで、一度も心地良いと思ったことはなかった。何故なら私はあの人に復讐する事だけを目的に強くなり生きてきたから・・・。ん・・・?
(確か私はあの人を倒して、それから・・・!)
ガバッ
自分が陥っていた状態を思い出し、勢いよく起き上がる。
A『はぁ、はぁ・・・。ここは・・・薬室?』
見覚えがある部屋に匂いがした。
そして思わず自分の頬を抓る。
A『痛い』
じゃあ私、
A『生きてるんだ』
ガっシャーン!!
突然入口の方から大きな音がする。
白雪「A?A目が覚めたんだね!よかった、ずっと目を覚まさないから心配してたんだよ!本当に良かった!あ、ゼンに知らせないと」
ゼンー!
大きな声で叫びながら出て行く白雪さん。白雪さんの慌ただしさに私は何も発することができなかった。
(今のうちに出て行こう)
ここの人たちに私は少し関わりすぎた。私は復讐のために生きていた人間。あの人たちはしっかりと今を生きる人間。違う世界の人間があまり深く関わってはいけない。
枕元に置いてあった数少ない私の荷物を素早く身に着け部屋を出ようとする・・・と
ゼン「どこに行くつもりだ?A」
丁度ゼン殿下が入ってこようとしたところに出会ってしまった。私は急いで進行方向を変え、窓に向かう。
A『・・・手当をして頂いたこと感謝します。しかしもう関わらないでください。私と貴方方では世界が違います。』
一度深く頭を下げてから窓から飛び出そうとすると今度は窓からオビが入ってきた。
タイミングが悪い。そう思いながらオビの鳩尾を狙う。するとオビに一瞬の隙ができる。
今だ。その隙をついて私は窓へ向かい勢いよく飛び出る・・・はずが・・・
ツンッ
窓枠に思い切り足を引っかけ、真っ逆さまに落ちていく。
(受け身が間に合わない)
間に合わないと判断し、すぐに来るであろう衝撃を待つ。が、何の衝撃も来ない。
オビ「目覚めてすぐにまた怪我するのはやめてくれよ?A嬢」
ゆっくりと目を開けると、そこにはオビの顔があった。
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オビ大好き(プロフ) - ミルさん» 返信、更新が遅くなってしまいすみません。コメント本当にありがとうございます!少しずつですが頑張っていきます、楽しんで読んで頂けると嬉しいです。 (2017年12月5日 22時) (レス) id: 18b5cfd9e7 (このIDを非表示/違反報告)
ミル - とても面白いです!更新頑張って下さい!! (2017年10月10日 21時) (レス) id: 31845f0f7d (このIDを非表示/違反報告)
オビ大好き(プロフ) - コハルさん» コメントありがとうございます。更新が遅くなってしまい申しわけありません。今後も楽しく読んで頂けると嬉しいです。 (2017年7月20日 13時) (レス) id: feff5c808f (このIDを非表示/違反報告)
コハル - すっごくおもしろいです!応援してます!!がんばってください!!! (2017年7月18日 19時) (レス) id: ac42cc4477 (このIDを非表示/違反報告)
オビ大好き(プロフ) - ハルさん» とても力になるコメント、応援有難うございます!なるべく早く、沢山更新できるよう頑張ります。なので楽しみに待って頂けると嬉しいです。また、意見や良かった感想など教えて頂けると嬉しいです。これからも楽しんで読んで頂けるよう頑張ります。 (2017年6月1日 23時) (レス) id: feff5c808f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クリオロ | 作成日時:2017年5月3日 17時