23_タルナの街 ページ31
Aside
白雪「ここがタルナの街かぁ。とっても綺麗な街だね！ゼン！」
白雪さんが馬車の窓から見える景色を見てとてもはしゃいでいる。
白雪さんの言った通り街は緑でとても空気がよく、沢山の出店があり人々の活気や笑顔で溢れかえっていた。とても病気が流行っている街とは思えない。
白雪「A！Aは馬車に乗らないの？」
景色を楽しんでいた筈の白雪さんが馬に乗って移動している私を見て話しかけてくる。
A『…馬車は落ち着かないので』
前を向いたままできるだけ素っ気なく返す。それでも白雪さんは嫌な顔1つしないで、
白雪「そうなんだ！オビと一緒なんだね！」
と笑顔で返してくる始末だ。
護衛の話をして以来、白雪さんは私を見つける度に用も無いのに話しかけてくるようになった。
(…本当、面倒くさい。)
話しかけられる度に最低限の事しか返さず、すぐに何らかの理由を付けて遠ざかったのに白雪さんは懲りる事なく、それも笑顔で「Aさんこんにちは！」、「Aさん調子はどうですか？」と言ってくる。
A『はぁ…』
思い出すだけで溜息が出る。
オビ「あれ？A嬢何溜息ついてるんですかい？」
気づかれないようにしていたつもりがオビには見つかってしまっていたらしい。
A『…別に』
オビ「別にって事ないでしょ。溜息なんか出てるん…」
ゼン「オビ！A！目的地に着いたぞ！」
ゼンに言われ辺りを見渡して見ると、そこには先程とはうって変わり、静かで重い空気が流れ人が1人もいない状態だった。
病人が集められているというとても大きな施設に着くと、全員入る前に消毒剤を全身にかけられた。そこから更に大きめのマスクを2枚も渡された。
白雪「Aさんも、これどうぞ」
そう言って白雪さんはマスクを差し出してくる。それを手で制し
A『…私は自分の物があるので結構です』
と断るとフードを被り、口元も覆った。
白雪さんは何か言いたそうな顔をしていたが、ゼンに呼ばれ名残惜しそうに行ってしまった。
ゼン「皆準備は出来たな。それでは…行くぞ。A、白雪の護衛は頼んだ」
返事をするかわりに左手で拳を作り胸にどんっ、とぶつけた。するとゼンは頷き中へ入って行った。
白雪「こ、これは…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 105人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
オビ大好き(プロフ) - ルイさん» 感想ありがとうございます！楽しんで頂けているのなら良かったです。戦闘シーン、これからも入れていくつもりなのでご期待下さい！更新は遅いかもしれませんが、頑張っていくのでこれからもよろしくお願いします。 (2017年4月7日 18時) (
レス) id: d4e0814f04 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - とっても面白いです！いや〜戦闘シーンがハラハラ&かっこいいです！これからも頑張ってください！ (2017年4月7日 0時) (レス) id: 53cd8612df (このIDを非表示/違反報告)
オビ大好き(プロフ) - まりねえさん» 感想、応援本当にありがとうございます。楽しんで頂けているのなら良かったです！コメントを力に頑張っていきますので、これからもどうぞ楽しんで読んで頂けると嬉しいです。 (2017年3月24日 19時) (レス) id: fa9056f62c (このIDを非表示/違反報告)
まりねえ - とってもおもしろいです！ 応援しています。頑張ってください！ (2017年3月24日 16時) (レス) id: c914c93a5f (このIDを非表示/違反報告)
オビ大好き(プロフ) - ハルさん» 確かに主人公は自分の事を考えずに行動する事が多いですね。ここだけの秘密、その原因は主人公の過去が関係するそうです。後々過去の秘密もわかってくると思いますので、どうぞこれからも続けて、楽しんで読んで頂けると嬉しいです。 (2017年3月22日 20時) (レス) id: fa9056f62c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：クリオロ | 作成日時：2017年3月17日 13時
