21-2_普段なら ページ27
Aside
(さっきといい、今といい私は何を言っているの?やっぱりどうかしている…。こんな城に来てしまったから…)
白雪さんの笑った顔を見てから、私はおかしい。普段なら絶対思わない事を思い、勝手に体が動いた。白雪さんから逃げ、森に入った後も何も考えられなくなって、ついには追いついて来たオビさんにも思った事を正直に言ってしまうという始末。
(落ち着かないと、一旦落ち着かないと。…あれ?落ち着く時ってどうやるんだっけ…。私いつも落ち着かないといけない事がない。わからないわからないわからない。どうしよう)
私は考えれば考えるほど何が何だかわからなくなってしまった。
オビ「………う!…嬢!A嬢!」
気づけばオビが私の肩を揺さぶりながら名前を呼んでいる。
オビ「A嬢!大丈夫かい!?」
A『…!…大丈夫って何がですか?』
揺さぶられている事に気がつきやっと我に返った私は疑問に思い聞いてみる。
オビ「何がって…A嬢一点を見たままずっと"落ち着かないと"とか"わからない"とか言ってたじゃないですか。俺が話しかけても全然反応しないですし」
A『……そう。ごめんなさい。大丈夫ですよ』
どうやら心の中で考えていた事が口から出てしまっていたらしい。
(私もまだまだ甘いな。もっと冷静でいないと…)
そんな事を考えていると目の前にオビの顔が見える。…オビ?
A『?!』
咄嗟に距離を…とろうとしたが先にオビに腕を掴まれ木を背に押さえつけられてしまった。
(!?何をしてるのこの人は。というか顔が近い。)
オビ「何処に行くつもりだい?A嬢」
いつもヘラヘラと笑っているオビがいつになく真剣な顔で話してくる。
A『…別に何処だっていいでしょう。貴方には関係ない』
素っ気なくそう言うとオビは更に顔を近づけて言い返してくる。
オビ「関係ならありますよ。A嬢をお嬢さんの所まで連れて行き、挨拶と報告を無事終わらせるまでが俺の任務だ。あんたがお嬢さんにちゃんと話すまで俺はずっとA嬢についていますよ」
これはオビの言う通りにするまで離してもらえなさそうだ。…今回は油断していた私が悪い。仕方がないけど言う事を聞こう。
A『…わかりました。もう何処にも逃げませんからこの手、離してもらえますか』
そう言うとオビはすんなりと手を離してくれた。こんなにも簡単に人の事を信じるのか、この人は。
ーーーすみません。また次に行きます…。
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オビ大好き(プロフ) - ルイさん» 感想ありがとうございます!楽しんで頂けているのなら良かったです。戦闘シーン、これからも入れていくつもりなのでご期待下さい!更新は遅いかもしれませんが、頑張っていくのでこれからもよろしくお願いします。 (2017年4月7日 18時) (レス) id: d4e0814f04 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - とっても面白いです!いや〜戦闘シーンがハラハラ&かっこいいです!これからも頑張ってください! (2017年4月7日 0時) (レス) id: 53cd8612df (このIDを非表示/違反報告)
オビ大好き(プロフ) - まりねえさん» 感想、応援本当にありがとうございます。楽しんで頂けているのなら良かったです!コメントを力に頑張っていきますので、これからもどうぞ楽しんで読んで頂けると嬉しいです。 (2017年3月24日 19時) (レス) id: fa9056f62c (このIDを非表示/違反報告)
まりねえ - とってもおもしろいです! 応援しています。頑張ってください! (2017年3月24日 16時) (レス) id: c914c93a5f (このIDを非表示/違反報告)
オビ大好き(プロフ) - ハルさん» 確かに主人公は自分の事を考えずに行動する事が多いですね。ここだけの秘密、その原因は主人公の過去が関係するそうです。後々過去の秘密もわかってくると思いますので、どうぞこれからも続けて、楽しんで読んで頂けると嬉しいです。 (2017年3月22日 20時) (レス) id: fa9056f62c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クリオロ | 作成日時:2017年3月17日 13時