21_逃げた訳 ページ26
オビside
オビ「A嬢何処いったんだ？！」
薬草園へ行きお嬢さんの顔を見ると、A嬢はいきなり逃げてしまった。俺は慌てて追いかけたけど、お嬢さんに一言二言残している間に見えなくなってしまっていた。近くを通った兵士達にも聞いて見たが、A嬢の姿を見た人は1人もいなかった。
(おまけに何処を通ったかの跡も残されていないときた。流石、と言いたい所だけど今はあんまり嬉しくない状況だね)
俺はしらみ潰しに探すのを辞め、一度止まってA嬢がいそうな場所を考えた。
(人がいなくて、薬草園からも遠く隠れられる場所…。としたらもしかして)
一つだけ思い付いた場所ができ、早速そこへ向かう。
オビ「やっぱりここにいましたね、A嬢」
やっと見つけたA嬢に声をかけると、A嬢は驚いたように顔を上げた。と、言っても驚いたと思ったのは顔を思いっきりこちらに向けたからで、表情はいつも通りかわっていないんだけどね。
A『…どうしてここがわかったんですか』
A嬢は警戒心を強めながら聞いてくる。
オビ「最初はしらみ潰しに探してたんですけどね、A嬢があまりにも速くて見つからなかったから一つずつ整理してみたんですよ。そうしたら当てはまるのがここ…"森"だったってだけですよ」
ニッコリ笑いながらそう言うとA嬢は少し何かを考える素ぶりを見せてから『…そう』と呟き、また見つけた時の体制に戻ってしまった。
できるだけ警戒されないように隣に座り、木にもたれかかった。
オビ「…それで？なんでお嬢さんの所から逃げ出したんです？」
A嬢は答えなかった。こちらを見る事も無かった。答える気はない、と言うことか。
オビ「お嬢さんへの挨拶も兼ねた報告は主からの任務だったと思いますが？」
そう言うとA嬢はやっとこちらを向いた。ちゃんと真っ直ぐな目で視線を合わせてきた。
オビ「なんでお嬢さんから逃げたんです？」
A『…体が勝手に動いた』
オビ「はい？」
思わず聞き返してしまったが、A嬢の目は至って真剣だった。
A『……白雪さんを見た時…綺麗だと思った…真っ白だと思った。…私なんかで汚しちゃだめだと思った。そうしたら勝手に体が動いた』
A嬢にしては珍しく小さい声だが、多くのことを一気に話した。ほんの少し困った様な顔をしている気がするからきっとA嬢も混乱しているんだとわかる。
ーー次に続きます。ーー
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オビ大好き(プロフ) - ルイさん» 感想ありがとうございます！楽しんで頂けているのなら良かったです。戦闘シーン、これからも入れていくつもりなのでご期待下さい！更新は遅いかもしれませんが、頑張っていくのでこれからもよろしくお願いします。 (2017年4月7日 18時) (
レス) id: d4e0814f04 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - とっても面白いです！いや〜戦闘シーンがハラハラ&かっこいいです！これからも頑張ってください！ (2017年4月7日 0時) (レス) id: 53cd8612df (このIDを非表示/違反報告)
オビ大好き(プロフ) - まりねえさん» 感想、応援本当にありがとうございます。楽しんで頂けているのなら良かったです！コメントを力に頑張っていきますので、これからもどうぞ楽しんで読んで頂けると嬉しいです。 (2017年3月24日 19時) (レス) id: fa9056f62c (このIDを非表示/違反報告)
まりねえ - とってもおもしろいです！ 応援しています。頑張ってください！ (2017年3月24日 16時) (レス) id: c914c93a5f (このIDを非表示/違反報告)
オビ大好き(プロフ) - ハルさん» 確かに主人公は自分の事を考えずに行動する事が多いですね。ここだけの秘密、その原因は主人公の過去が関係するそうです。後々過去の秘密もわかってくると思いますので、どうぞこれからも続けて、楽しんで読んで頂けると嬉しいです。 (2017年3月22日 20時) (レス) id: fa9056f62c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クリオロ | 作成日時：2017年3月17日 13時
