12_庇う理由 ページ15
オビside
オビ「聞きたい事があるんですがいいですかい?」
俺はA嬢の目を離さず言った。
A嬢は何も言わなかったが、しっかりとこちらを見返して来たので良いと言うことだろう。
オビ「どうしてお嬢さんを素手で助けたんです?そして何故お嬢さんだけではなく俺まで庇ったんだい?」
いくら裏で生きてきたとしても、刃物に対して素手で受け止めたり、関係を深く持っていない人を体を張って庇うなんて行為は簡単にできる事じゃない。
A『…別に、素手だったのは武器を捨てろと言われたからで、貴方を助けたのは体が勝手に動いたから』
勝手にって… 1番危ない事じゃないか。
オビ「人を庇ってさ、自分はどうなってもいいわけ?A嬢、あんた下手したら死んでたかもしれないんですよ?」
そう言うとA嬢は、本当に気をつけて見ていないとわからないくらい少しだけ、悲しそうな表情をして呟いた。
A『…私が死んだ所でこの世界は何も変わらない』
オビ「……」
俺はその表情と呟きに対して何も言うことができなかった。
世界は変わらなくても死ぬ事を怖いとは思わないのか?まだ俺より若いだろうに、このお嬢さんは過去に一体何があったんだ?
オビ「….まぁとりあえず礼を言っておくよ。A嬢。それと、今更ですけど俺の名前は貴方じゃありません。オビです。敬語も入りませんからね」
色々と考えている内に息苦しくなってしまったこの重い空気を何とか変えようと俺はわざと軽いノリでそう言う。
A『…私は直ぐに出て行きます。名前を呼ぶ必要も馴れ合う必要もないと思います』
A嬢は無表情のまま淡々と告げる。
オビ「嫌だなぁA嬢。今回は何が何でも逃がしませんよ?少なくとも全ての傷が完全に癒えるまでは。その間仲良くしましょうよ」
A『嫌よ』
オビ「あらら、断られちゃいましたか。でも絶対に逃がしはしませんからね〜。そのうちに敬語を無くして名前でよんでもらいましょうかね」
俺はそう言ってA嬢にニッコリと笑いかけた。
そしてふと、ずっと無表情でいるA嬢の笑っている顔が見たいと思った。
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オビ大好き(プロフ) - ルイさん» 感想ありがとうございます!楽しんで頂けているのなら良かったです。戦闘シーン、これからも入れていくつもりなのでご期待下さい!更新は遅いかもしれませんが、頑張っていくのでこれからもよろしくお願いします。 (2017年4月7日 18時) (レス) id: d4e0814f04 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - とっても面白いです!いや〜戦闘シーンがハラハラ&かっこいいです!これからも頑張ってください! (2017年4月7日 0時) (レス) id: 53cd8612df (このIDを非表示/違反報告)
オビ大好き(プロフ) - まりねえさん» 感想、応援本当にありがとうございます。楽しんで頂けているのなら良かったです!コメントを力に頑張っていきますので、これからもどうぞ楽しんで読んで頂けると嬉しいです。 (2017年3月24日 19時) (レス) id: fa9056f62c (このIDを非表示/違反報告)
まりねえ - とってもおもしろいです! 応援しています。頑張ってください! (2017年3月24日 16時) (レス) id: c914c93a5f (このIDを非表示/違反報告)
オビ大好き(プロフ) - ハルさん» 確かに主人公は自分の事を考えずに行動する事が多いですね。ここだけの秘密、その原因は主人公の過去が関係するそうです。後々過去の秘密もわかってくると思いますので、どうぞこれからも続けて、楽しんで読んで頂けると嬉しいです。 (2017年3月22日 20時) (レス) id: fa9056f62c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クリオロ | 作成日時:2017年3月17日 13時