雪男たちの白雪姫?! 41

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目黒side

会長
「…座っていただきたい」

「『…。』」

会長からの言葉に、立っているわけにも行かず
10人が席に着く

滝沢
「電話でお伝えしたとおりですが、
この間交わした契約の話を無かった事に
していただきたく参りました」

社長
「…その事ですが。」

全員が、よくも娘を…!と言われる覚悟をして
少し俯いて話を聞く体制に入ったその時、
座っていた会長と社長が立ち上がった

…あぁ、俺殴られるんだなって覚悟をした

だけど…

「『……え………』」

目の前に広がった光景に、全員驚きを隠さなかった

社長
「…私の娘が、皆様にご迷惑をかけた事、謝罪いたします」

会長と社長が俺達に頭を下げていた

深澤
「…えっと……」

社長
「娘がした事を聞かされておらず、
昨日滝沢さんからいただいた電話で
娘を問い詰めて全て吐かせました。
目黒さんと百瀬さんに多大なご迷惑をおかけした事
誠に申し訳ございませんでした」

目黒
「……」

『……』

俺は勿論、Aも声を失っていた

岩本
「…娘さんが勝手にやった事、だと?」

社長
「はい…。自分共が甘く育て過ぎました。
娘は明日の便で、海外に留学させて
社会の厳しさを教え込むつもりです」

目黒
「…ふざけんな」

行き場のない怒りが込み上げる
ただ、自分がアイツの嘘に騙されてただけか…
それでこんなにも人を巻き込んで、
Aとの関係も壊れて、Aと嵩も巻き込んで
負担を負わせて。
殴ってやろうと思って、俺も立ち上がった

…でも、俺よりも先にAが立ち上がっていた

Aが、社長に向かって歩いていく

深澤
「えっ…」

滝沢
「…A。」

全員が止めに掛かろうと思ったが遅かった
Aは社長の目の前に立った

『…娘さんは今どこですか』

あまり聞いたことのない、Aの低い声を聞いた

会長と社長は、会食の時とは違うAの剣幕に
少し戸惑ってはいたが、連絡をしてあの女を呼んだ

ナツミ
「……」

少しして、やってきたあの女は昨日までの威勢は
どこ行ったのか、髪の毛も短くなっていて
メイクもボロボロで、泣き腫らしたような顔をしていた

『…言う事無いですか?』

Aは社長の前から、その女の前に移動して
また、低めの声でそう言った

ナツミ
「……」

黙り続けるその女にAは続けた

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