初対峙【松】 (ページ3)

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「っあーごめん！遅れた！」
「すまない、少々遅れをとってしまった」

そう言いながら勢い良くチョロ松兄さんと
カラ松兄さんが会議室に入ってきた。

おそ松兄さんが
「ったくしょうがねーなぁ」
と呆れ顔で笑いながら言うと、
チョロ松兄さんはキッと
おそ松兄さんを睨んだ。

「いやお前のせいだからな！？ていうか何で先に帰ったの！？カラ松来なかったら死ぬ所だったわ！！」
「えー、だからちゃんとカラ松呼んだじゃん。まあいいから座れよ、ボス決まるんだからさー」

不服そうにしながらも
チョロ松兄さんが席についた。

「えっ........？」

カラ松兄さんの分だけ椅子が足りなかった。

慌てて席を譲ろうとすると、
おそ松兄さんに無言で制され、
結局カラ松兄さんは立って聞くことになった。

「それじゃあ、発表するわね。次期ボスのことなんだけど」

全員黙って母さんの方を向いた。
母さんは手元の資料を見ながら口を開く。

「_______松野ファミリーの次期ボスは、おそ松」

おぉ！と、歓声が上がった。
おそ松兄さんは得意気に笑って、
小さく「っしゃ！」と言っていた。

僕も小さい声で「おめでとう」
と言ったら、笑顔でピースを向けてくれた。

「静かに。もう一つあるのよ」

その一言でまた室内は静まり返った。

何の話があるんだろう？
ボスの決定以外に。

「松野Aは______取り引きの都合により、本日付で柳屋ファミリーへ移行となることが決まったわ」

「..............えっ？」

空気が一瞬、凍りついた。

バンッとおそ松兄さんが
机を叩き立ち上がる。

「ふざけんな！！なんでだよ、柳屋って敵じゃねえか！！取り引きの都合で仲間売るのかよ！！！？」

おそ松兄さんが力一杯叫んだ。
僕は驚き過ぎて声が出なかった。

移行。つまり、僕は.........。

_______松野ファミリーの、敵となる。

「仕方ないでしょう。それで××を譲ってくれるって言うんだから」

××........確か、コッチが今必死で
追い求めてる薬の名前。

それがあれば戦場で
圧倒的有利になるだとか、
そんな話を聞いた記憶がある。

_______あぁ、そうか。

僕には、その薬より戦力も価値もない。
だから売られたのだろう。

「ッざけんな！！だからって！」
「そうだよ母さん！」
「決定事項よ。会議は終わり。それぞれ任務に戻りなさい」

次期ボスはこの事項から後の事を責務とする。

それだけ言って、
母さんは会議室を後にした。