cigarette Love.【SEVENTEEN】 (ページ25)

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眠る君を js ページ25

不愉快な寝汗に起こされた。
熱った体で薄目を開けると、
見慣れない白天井。

くらくらする頭で記憶を辿り、
自分が病院にいることを理解する。

窓から差す陽が暖かい。
そして右手にも感じる温もりの先を見ると、
俺の手を握ってベットに伏せ眠るAが居た。

俺の頭が正常に働いていれば、
昨日はガユンヒョンと病院に泊まったのに
なぜ彼女が？

重い体を起こし、管が繋がっている左手で彼女の頭を撫でると、
寝言か寝息かとも取れない微睡んだ声を漏らす。

顔を覗くと瞑っているのにわかる。
目の周りが赤くなって、涙の跡が見える。

もしかして、俺が熱を出したから
駆けつけて、側にいて、泣いていたのか？

ぼやけた頭では、自分に都合の良い考えばかり浮かんでくる。

いつから彼女のことを想っていたんだっけ。

いつからというより、彼女の優しさや
素直なところにどんどん惹かれていったんだっけ。

朦朧とする頭でもただハッキリしているのは、
このまま彼女と二人の時間が続いてほしいと
俺の右手が願っていることだ。

『.....A、』

そう呟いても、いつものように
ん？と俺に振り返る丸い瞳はない。

繋いだこの左手も、俺の右手にかかる微かな寝息も、涙の跡でさえ全部、全部

「.....好きだよ」

俺のものになれば良いのに。

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次回→Aside