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都内某所、はしもっちゃんのマンションに着いた。
ここで俺ら4人は最初の壁にぶち当たる。
オートロック式のエントランスに行先を阻まれ、俺たちは無言で顔を見合わせた。はしもっちゃんはきっと在宅してるだろうけど、果たして俺らの訪問に対して解錠してくれるのか?
「…これさ、はしもっちゃん開けてくれんの?詰んでね?」
ガリさんはもう既に匙を投げた感が否めない。
「とりあえず、やるだけやってみてから考えようよ」
みずっこんが部屋番を入れて、呼び出しボタンを押した。
暫くして、男の人の声が聞こえた。
「…はい」
間違いない。この声ははしもっちゃんだ。でもやっぱり、声に活気がなくて沈みまくっているのがひしひしと伝わってくる。
「突然ごめん、はしもっちゃん。瑞稀だけど、元気にしてるかなって思って4人で来てみた。」
あまりのはしもっちゃんの覇気のなさに、みずっこんからも微かな動揺が見える。でも、俯きながら話を始めてくれた。
「顔見て話がしたいんだけど、できそう?」
はしもっちゃんから応答はない。解錠もしてくれない。でも、対話は続けられるようにしてくれている。
「長居するつもりもないし、玄関越しでも構わない。それでもダメ?嫌なら帰るから」
そしてそのまま15分くらい交渉を続けた。
それでもはしもっちゃんは頑なに口を開かなかった。まさかここまで苦戦するとも思ってなかった。頑張っていたみずっこんも、固唾を飲んで見守っていた俺ら3人もさすがに諦めようとしていた時だった。
「…ん?」
ガリさんが異変に気づく。
「おい!ちょっと!これ!」
指さしていたディスプレイに"解錠"の2文字が灯り、固く閉ざされていた部屋へと繋がる自動ドアが開いた。
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icos(プロフ) - ほんとに大好きです( ; ; ) (4月16日 19時) (レス) @page14 id: 50ce4e0c5c (このIDを非表示/違反報告)
めろ(プロフ) - とっても好みの内容で大好きです。更新たのしみにしています! (2月9日 4時) (レス) @page12 id: 6471658642 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まかろん | 作成日時:2023年10月8日 1時