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駆け込んだ時には、もう遅かった。
マネージャーが車を出してくれて、病院に着いた。マネージャーが看護師さんに詳細を伝えて、俺らが通された先は予想だにしていなかった安置室。
薄暗い部屋にぽつんと置かれたベッド。その上に俺らの姫は眠っていた。事故に遭ったとは思えないほど綺麗な顔をしていて、ただ睡眠をとっているかのように穏やかだった。
｢…地面に叩きつけられた時に頭を打ったと思われます。その打ちどころが悪くてですね、｣
遅れてやってきた医師は俺たちにそう説明してきた。頭の打ちどころさえ悪くなければ数本の骨折と打ち身と擦り傷で済んで、死ぬことはほとんど無いに等しかったらしい。
医師の説明なんて頭に入らないくらい、俺らは呆然と佇み、そしてこれまでにないくらい泣いた。優斗も、作間も、瑞稀くんでさえも。名前を幾ら呼んでも目を覚まさないし、ぴくりとも動かない。Aの手を握った時、弛緩しきった小さな手に死を感じて正直ゾッとした。それと同時に戻ってこない辛さもとめどなく押し寄せてきた。
はしもっちゃんは、正直見てられなかった。
病院に着いたぐらいには車内のピーク時よりもだいぶ落ち着いてきて、顔は強ばってるし不安そうな顔はしていたけど、なんとか体裁を保てていた。
Aの死が分かった瞬間のはしもっちゃんの姿が脳裏に焼き付いている。
A、A、と呟きながら、ふらりとベッドの傍に1番に歩み寄り、手を握ってへなへなとしゃがみこんでしまった。
でも、そこからはあんまり覚えてない。俺も受け止めきれなくて泣いたから。ただ、ギリギリ覚えていたのは、はしもっちゃんはずっとAの手を握って泣き続けたことと、パニックで過呼吸になったこと。
そしてそのまま病院で一夜を明かして、俺らは家に帰った。
マネージャーの車の中で、俺らは一縷の望みに賭けていた。絶対Aは戻ってくるって信じていた。神にも縋る思いで。でも、無慈悲なことにそれは実現せず打ち砕かれた。
神に1つ、願いを叶えて貰えるとしたら、俺はAを生き返らせたい。それだけで俺らはみんなまた幸せになれる。人を1人生き返らせることくらい、神からしたら容易いだろ？
でも俺、なんとなく分かっちゃったんだよね。この世に神なんていないってさ。だから、Aが生き返ることも無いんだってことも。
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icos(プロフ) - ほんとに大好きです（ ; ; ） (4月16日 19時) (
レス) @page14 id: 50ce4e0c5c (このIDを非表示/違反報告)
めろ(プロフ) - とっても好みの内容で大好きです。更新たのしみにしています！ (2月9日 4時) (レス) @page12 id: 6471658642 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まかろん | 作成日時：2023年10月8日 1時
