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Aちゃんが、亡くなった。


10月29日、23時59分。あと1分ではしもっちゃんの誕生日。俺は日付が変わった瞬間にバースデーメッセージを送ってやろうと思って、打ち込んだテキストをそのままにして待機していた。


「さーん、にー、いち。よっしゃ、日付変わった!……ん?」


送ろうとしたタイミングでマネージャーから電話がかかってきたのを覚えている。くそー、これじゃ待機してた意味ねぇじゃんとか独り言を呟きつつも、どうせ翌日の仕事のスケジュールが急遽変わったとか、そんなことだろうと思っていた。


「お疲れ様です、作間です」
「もしもし?夜分遅くにごめん。今落ち着いて話すことってできる?」
「あ、全然だいじょぶっす」


今思い返せば、「もしもし?」の時点で声色がいつもと全然違った。いつもフランクで明るい人なのに、やけに強ばっていたから。


「とにかく、落ち着いて聞いて」


この一言をあの時の俺も不審に思っていた。


「え、ああ、はい」
「とにかく落ち着いて聞いてくれ」


ここまで念を押されるなんて、どれだけ大事な連絡なんだろうと思った。でもそんな考えは、直ぐに覆る。


「Aが事故に遭った」
「…は?」

「状態が思わしくない。はっきり言うと、生死を彷徨ってる」


俺の中の全てが止まった瞬間だった。思考も、行動も、呼吸もピタリと止まったあの感覚を忘れてはいない。


「落ち着いてよく聞いて。5人を乗せて病院へ行く。今は瑞稀の家へ向かってる。家の前に着いたらすぐ連絡するから、待機して待ってて欲しい」
「え、え、待って」


Aちゃんが事故?生死を彷徨ってる?受け止めきれない情報量の数々に、経験したことないくらいパニックを起こした。それでも必死に平静を保って、なんとかマネージャーの車に乗った。もうほかの4人は揃っていて、顔面蒼白な優斗と、落ち着かないのか自分の髪の毛をぐしゃぐしゃと乱すガリさん。もうこの時点でプチどころか大パニックで呼吸が乱れているはしもっちゃん。そして、はしもっちゃんを落ち着かせるようにその手を握るみずっこんがいた。


「A、A、」
「はしもっちゃん、大丈夫だって、Aは絶対平気だ」


みずっこんはずっと声をかけ続けていたけれど、まるでそれは自分にも言い聞かせているようだった。


そして俺らは、その後無情な事実を知ることになる。


俺らが到着した頃には、もう既にAちゃんは息を引き取っていたんだ。

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icos(プロフ) - ほんとに大好きです( ; ; ) (4月16日 19時) (レス) @page14 id: 50ce4e0c5c (このIDを非表示/違反報告)
めろ(プロフ) - とっても好みの内容で大好きです。更新たのしみにしています! (2月9日 4時) (レス) @page12 id: 6471658642 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まかろん | 作成日時:2023年10月8日 1時

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