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あの後、俺たちははしもっちゃんの家から引き上げて帰宅した。これ以上はしもっちゃんの話を聞き続けていたら俺たちも、はしもっちゃん本人も潰れてしまうと思ったから。
そして俺はマネージャーに電話をかけることにした。
「…お疲れ様です、瑞稀です」
「おう、お疲れ。…はしもっちゃんはどうだった?」
「俺たちの想像以上に辛そうでした。珍しいくらい部屋も荒れてましたし、煙草もまた始めたみたいで…」
「なるほどね。わかった、とりあえず生きてるなら大丈夫。ありがとな。」
「いえ、全然大丈夫です。…失礼します」
通話を終えて、無心でソファに飛び込む。
いつもあれだけ大きな心で俺らを包み込んでくれるはしもっちゃんの、小さく縮こまった弱々しい姿を初めて見た。ガリさんは怒ったけど、多分きっとはしもっちゃんの様子に若干動揺して、焦りが出たんだろうと思う。
無理もないよなあ、なんて考えるのは甘えなのか。
HiHiが活動を再開できないのは、はしもっちゃんが戻れそうにない状況だから。言葉を選ばないならはしもっちゃんの"せい"だけど、はしもっちゃんが"悪い"わけではない。勿論いきなり死んだAが悪いなんて以ての外。俺がもしはしもっちゃんと同じ状況に陥ったら同じように心を病むと思うし、ましてや人前で笑顔を見せて仕事をするなんてできないと思う。
だけど、こんな俺らにもファンがいる。HiHiが好きだと言ってくれる人たちがいる。いち早く姿を見せて安心させたいと思うし、これからも応援してもらえるアイドルでいたい。でも、もしこの先HiHiが何年も活動できなかったら?はしもっちゃんがずっとこの状態だったら?果たして俺たちはどうなるのかって考えない日はない。
はしもっちゃんは悪くない。無理もして欲しくない。でも…って思ってしまうのは良くないのか。
そんなことを考えていたら、いつの間にか眠りについてしまった。
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icos(プロフ) - ほんとに大好きです( ; ; ) (4月16日 19時) (レス) @page14 id: 50ce4e0c5c (このIDを非表示/違反報告)
めろ(プロフ) - とっても好みの内容で大好きです。更新たのしみにしています! (2月9日 4時) (レス) @page12 id: 6471658642 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まかろん | 作成日時:2023年10月8日 1時