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その執事、万能 ページ11

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ある日、シエルとAはとある店に訪れていた



「いらっしゃいボク(・・)、お父さんのお使いかい?」



小さい子供のような扱いをされシエルは不快そうに顔を歪める


怒りを沈めようとシエルの手を握り落ち着かせるA
シエルはその手を握り返しそっぽを向いた。怒りは収まったようだ



「失礼。主人の(ステッキ)を受け取りに参りました」



ニコッと笑いかけると店主はその笑顔に見惚れた

それを見たシエルは再び機嫌を悪くし舌打ちした



「…あっああ、この杖の人か。こんな短い杖一体どんな人が使うのかと思ったらまさかこんな子供____」



その言葉を言い終わる前にAは
受け取った杖の先を店主の顔スレスレに向けた

"ファントムハイヴ伯爵"にそのような態度は許されない



「歪みもなく素晴らしい杖ですね。お釣りは結構ですよ」



恐怖で放心している店主を残し、シエルとAは店を出た





「ったく…フィニの馬鹿力にも困ったものだな。おかげで杖を新調するハメになった」



シエルは杖を真っ二つに折ったフィニを思い出し、ため息をついた



「そうですね。身長が伸びた訳でもないのにお手間をとらせました。申し訳ございません」


「うるさい。すぐにお前より高くなって見下ろしてやる」


「あら、それは楽しみですね」



伯爵にしては可愛らしい夢にAはふふっと笑った

ふとAはとある店の前で目を輝かせている子供を見た



「見てママ!!『ファントム』のビターラビット!新しいやつだ!」


「もう…さっきお菓子買ってあげたばかりでしょ?」



ファントム社
資産家や成金貴族からの強力な援助と強気の事業展開
他に類を見ない斬新な商品アイデアで3年弱で急成長を遂げた
英国の製菓・玩具メーカーだ



今この街でその名を目にしない日はない
誰一人として気付きはしないだろう
玩具の虜となる子供達に紛れ彼の支配者がそこにいるなど___


「さあ坊ちゃん、早く屋敷に戻りましょう」



Aはシエルの手を取り馬車に乗せた





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MOMO(プロフ) - これで終わりではない……ですよね!?お気に入り作品にしようとしたんですがお気に入り作者しか出来なくて心配だってんです!!シエル君大好きなのでもっとシエル君の作品増えてくれるといいなって思ってたのでこんなにいい作品があるの嬉しいです!!頑張って下さい! (2023年2月20日 4時) (レス) @page11 id: 086efc5a74 (このIDを非表示/違反報告)
Moon(プロフ) - こんにちは(*ˊᵕˋ*)コメント失礼します🙇‍♀️めっちゃこの物語良き過ぎます(๑•̀ㅂ•́)و✧更新されるのを楽しみにしています(*^^*)🎵𓈒𓏸 (2022年9月14日 20時) (レス) @page11 id: b2ea47ad96 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桃香 | 作成日時:2022年2月15日 22時

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