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樹side






「ありがとうございました」







Aちゃんを背中に背負って、タクシーを降りるとオシャレだけどこじんまりとした小さなマンションがあった







樹「どうしようかな…」






背中にいるAちゃんを見ると、予想以上に彼女の顔が近くにあって思わず目をそらす






とりあえずマンションに入ってポストのところでAちゃんの名前を探す







樹「あった……」








このマンションは全部で10部屋しかなく、すぐにAちゃんの名前を見つけた







樹「Aちゃん、起きて…」






少し揺すってみても起きる気配がない、どんだけ熟睡してんだよ…笑








罪悪感を抱きつつも、Aちゃんのバッグから鍵を探して家の中に入る







樹「お邪魔します…」






部屋に入ると、一瞬にしてAちゃんの匂いに包まれた






落ち着いた中にも、生活感のある居心地の良い部屋




いい匂いする、、、やべぇ、俺変態かよ









とりあえずAちゃんをベッドに運ぶ



そーっと下ろして布団をかけてあげると、柔らかい表情になった







軽く頭を撫でてその場を離れようとすると









.









キュッ……









そこには俺の服の裾を掴んで気持ちよさそうに眠っているAちゃんの姿があった








樹「っ……まじで勘弁して……」








さすがの俺でも理性の限界ってものがある、やばいって…








ベッドに腰をおろしてAちゃんの頭を撫でる







こんな隙だらけで大丈夫なの?俺だって男だよ?



少なからず俺には心開いてくれてるって思っていいのかな…








ここ2週間くらい、Aちゃんと一緒にいる時間が増えて
今まで見てきた彼女の切なそうな表情からは想像つかないくらい
楽しそうに笑ってたり、意外とよく喋ったり…







一緒にいればいるほど、どんどん彼女に惹かれてる自分がいる








ダメだってわかってる、けど…………









Aちゃんの頬に顔を近づけた









.









.









「こう、ちゃん……」









ハッと我にかえってAちゃんを見ると、まだ気持ちよさそうに眠っている









なにやってんだよ、俺………









ってか、"こうちゃん"って誰……?








あなたの心の中には、いま誰がいますか?



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作者名:ryo-ka | 作成日時:2018年1月26日 0時

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