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2.はじめまして。安室透です ページ4

「お待ちしてましたよ、先生。
いやあ、噂通りの美人さんですなあ」

毛利探偵の豪快な笑い声に、
引きつった苦笑を零す。

「はは、どうも。……蘭ちゃん?」

「すみません。父が美人でないと取り合ってくれなくて」

小声で蘭ちゃんに助けを求めたが、
呆れたように自分の父の姿を見るだけだった。

「とりあえず座って下さい。
下のカフェでケーキを頼んだので、
話はそれからにしましょう」

「何から何までありがとうございます」

「私、珈琲淹れてくるね」

台所へと駆ける蘭ちゃんの背中を見送り、
お世辞にも暮らしぶりが良いとは言えない部屋を見渡す。
いくら名探偵とはいえ、
探偵業はあまり儲からないのかもしれない。

「ただいまー」

声を辿ると、大きな眼鏡を掛けた小学生と目が合った。

「お帰り、コナン君。今お客さん来てるから静かにしてね」

「はーい。お姉さん、こんにちは」

「こんにちは。弟さんですか?」

「いや、そいつは居候なんですよ。
なんでも両親が忙しいらしくて、
うちで引き取ってるんです」

「そうでしたか」

コナンとはまた珍しい名前だ。
それに、居候という言葉も馴染みがない。
ドラマみたいだな、と心の中で思いながら、
蘭ちゃんが運んできた珈琲を一口含んだ。

「あ、安室の兄ちゃん、もう来るって言ってたよ」

それだけ残すと、コナン君は
ランドセルを置きに部屋に戻った。
彼の言葉通り、本当にすぐ、
扉をノックする音が響いた。

「こんにちは。ケーキを届けに来ました」

「おお、来たか」

出迎えた毛利さんの奥にいたのは、
金髪に褐色の肌。垂れた目に青い瞳。
ポアロと書かれたエプロンを掛けた、高身長の男性がいた。

零、くん……?

記憶の中のぼんやりとした面影が、
目の前にいる男性と重なり、くっきりと見えてくる。
七年間、探し続けた彼の姿だった。

手に下げたケーキを毛利探偵に渡すと、
男性は私に歩み寄った。

「はじめまして。安室透です」

3.なんだか波乱の予感→←1.ちょっとご相談があるのですが



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ちゃむPOP(プロフ) - ナツみかんさん» 私も書いてても亀更新なので…笑 更新ありがとうございます! (2018年5月7日 18時) (レス) id: ff2e6e27e2 (このIDを非表示/違反報告)
ナツみかん(プロフ) - ちゃむPOPさん» ありがとうございます……!! すみません、全然進んでなくて(o_o) それでも待っていただけるなんて……本当、涙しか出ないです。頑張らせていただきます!! (2018年5月6日 15時) (レス) id: 691cadf074 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむPOP(プロフ) - めっちゃ面白いです!続き気になります…待ってます!! (2018年5月5日 10時) (レス) id: ff2e6e27e2 (このIDを非表示/違反報告)
ナツみかん(プロフ) - nanoka(*´∀`)さん» ありがとうございます! まだ展開はぜんっぜん進んでない上、中々更新出来ていないのをお詫びします(~_~;) すみません! このような作品でも気に入っていただけて嬉しいです。ご期待に添えるよう頑張らせていただきます! (2018年3月23日 23時) (レス) id: 9c9f3cfc59 (このIDを非表示/違反報告)
nanoka(*´∀`)(プロフ) - 「もしかし、俺の嫁になるかもしれない」ってセリフのところで、死にました。いつも更新有難うございます。陰ながら応援してます、これからも頑張ってください! (2018年3月22日 21時) (レス) id: 3399c25298 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナツみかん x他1人 | 作成日時:2018年3月13日 11時

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