21.誰かの瞳に似ているようで ページ23
「どういうのが良いんだろう……」
街の小さな、昔馴染みの商店で、
ずらりと並んだ陶器を見比べた。
様々な装飾を施した物や、
素材を活かした素朴な物まで。
花瓶など買ったことがないから、
どの花瓶に価値があるかなんてさっぱりだった。
もらった薔薇は一輪で、曇りない赤。
一輪挿し程の大きさだけを探しても、
どれが良いか、全く分からない。
試しに、ベビーカーの中のとー君に、
いくつか花瓶を見せてみたが、特に反応はなかった。
はあ、と溜息を吐き、
もう一度陶器のコーナーを見返すと、
ある物が目に止まった。
「おばあさん、これ、なんですか?」
窓からの陽光を受けて、キラキラと透き通った碧色は、
吸い込まれそうに綺麗で、不思議と心を奪われた。
どこか、彼の瞳を連想させるものだった。
「嗚呼……それは琉球ガラスだね」
奥で読書をしていた店主のおばあさんは、
本から顔を上げて、眼鏡の奥の笑い皺を一層深くした。
「琉球ガラス?」
「そう。沖縄で作られているガラス。
その淡い碧色は中々作り出せるものじゃないから、
それに魅せられる人も少なくない。
私と、貴方のようにね。綺麗だろう?」
店主は、既に細い目を更に細くして、
私に向けて茶目っ気たっぷりのウインクをした。
彼女のウインクには苦笑いを返して、
琉球ガラスの花瓶を手に取る。
「ええ、とても素敵ですね。
これを一つ、頂けますか?」
「はい。まいどね」
おばあさんから、お釣りと花瓶の入った袋を受け取り、
ベビーカーを押して歩き出した。
*
どうでもいいですけど、もう少ししたら、
琉球ガラス作り体験行ってきます。
とても素敵なガラスですので、
ぜひ、調べてみて下さい。
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています!更新停止状態のままですが更新はされるのでしょうか? (2019年9月12日 21時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になってます!もう更新されないのでしょうか? (2018年12月29日 21時) (レス) id: 6124a9987a (このIDを非表示/違反報告)
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