序章 7 ページ7
そんな日常を引きつれて、小等部六学年になった。
私が新しいクラスに入ると、
瞬間的に教室が静まり返り、クラスメイトから蔑視の瞳を向けられた。
その素因は、机に施されていた落書き。
『人形病』『ブス!』『学校に来るな』
所々で、クスクスと嘲笑の声がする。
幸い全てが鉛筆の文字だったので、そのまま席に座って消しゴムで消した。
私は人形病ではないし、
嬉しくはないが母親譲りの顔でブスでもない。
しかも学校は義務教育だ。
まともに話したこともない者がとやかく言う資格はない。
けれど、ただひたすらに消しゴムを動かしていた私は、
『人形病』の名称に相応しく、シワの一本も動かしていなかったことだろう。
しばらくすると教室の扉が開く音が聞こえ、
それまで私を下卑たように笑っていたクラスメイトが、一変、ざわつきだした。
反射的に顔を上げると、眉をつり上げて仁王立ちした景吾の姿。
自分の弱点をすべて暴かれたような歯痒さを覚えて目を逸らすと、
景吾は迷うことなく私の方へ歩み寄ってくる。
その時、ひとりの女子生徒が景吾の服の袖を掴み、引き止めた。
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√ルート(プロフ) - 返信が遅れてしまい、申し訳ありません!!そんなに気に入って頂けるなんて、悩みながら書いた甲斐がありました...(笑)とても励みになります(≧▽≦) (2018年8月20日 2時) (レス) id: 46231e2a59 (このIDを非表示/違反報告)
ユッキー(プロフ) - このお話、大好きです!文才力すごいですね! (2018年8月16日 3時) (レス) id: 127851c6f5 (このIDを非表示/違反報告)
√ルート(プロフ) - くしぇるさん» 処女作でそんなことを言って頂けるなんて感謝感激雨あられです!新作でお会いできたときには、応援して下さると嬉しいです! (2018年4月28日 11時) (レス) id: 46231e2a59 (このIDを非表示/違反報告)
くしぇる(プロフ) - めっちゃ面白かったです!! (2018年4月26日 21時) (レス) id: bc0907c9ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:√ルート | 作成日時:2018年3月27日 23時