本章 １１ ページ21
正式マネージャーとして働いた１年目は
瞬きをする間に過ぎていった。
頼りにしていたマネージャーキャプテンも卒業して、新しい三年生に役職を譲った。
私もあっという間に正レギュラーのマネージャーへ昇格した。
景吾は、一年生の中旬には部長になっていたが、
侑士君をはじめとした新たな二年生もレギュラー入りした。
期待できる一年生も多かった。
今年は監督たちのお眼鏡にかなう
マネージャー希望の生徒はいなかったようで、
マネージャーの合計人数は７人になった。
桜の花は散り、この氷帝男子テニス部も新体制を整えている時期である。
「跡部。昨日よりも調子良さそうね。」
部活中に選手とマネージャーとして向き合う時は、
苗字で呼ぶように心がけている。
景吾からはどっちでもいいと一蹴されたが、
ＯＮとＯＦＦの切り替えがしやすいため、かなり気に入っているルールだ。
「ああ、まぁな。」
そう言って記録用のタブレット片手に立つ私を見る景吾の瞳は、
少し下向きに下がっている。
この１年間。
景吾も侑士君もぐんぐん背が伸びて、
ほぼ同じだったはずの幼馴染の目線は
今では常に私より高い位置を見つめている。
侑士君も元々背が高いのに加えられて、今では１７０ｃｍも超えているそうだ。
私の身長は、ほんの少しだけ。髪は伸びたのに。
「...次は侑士君か.....」
景吾とこのコートにいる部員の体調と体力データを数値化しながら
タブレット端末に打ち込み終わった。
「忍足ならＤコートだ。またダブルスの練習だと。
...彼奴ら、ずっとあの調子だが地区予選までには間に合わせるんだろうなぁ。」
侑士君は、二年生になって向日 岳人君とダブルスを組んだ。
向日君は底抜けに明るくて、
三年が引退した中のピリピリとした雰囲気も意に介さないように口笛を吹いていた。
彼の真っ赤な髪は、いつも太陽の光を受けてさんさんと光っている。
...そんな子が侑士君とダブルスをすることになったのだ。
監督の指示ではあったけれど、
普段の性格もプレイスタイルも真反対である２人の息が合うには
少し時間がかかりそうだった。
お互いに努力してダブルスの練習を積極的に行っているが、
まだ難しいかもしれない。
成長具合のデータを取るために、一応スポドリとタオルを抱えてＤコートへ急ぐ。
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√ルート(プロフ) - 返信が遅れてしまい、申し訳ありません！！そんなに気に入って頂けるなんて、悩みながら書いた甲斐がありました...(笑)とても励みになります(≧▽≦) (2018年8月20日 2時) (
レス) id: 46231e2a59 (このIDを非表示/違反報告)
ユッキー(プロフ) - このお話、大好きです！文才力すごいですね！ (2018年8月16日 3時) (レス) id: 127851c6f5 (このIDを非表示/違反報告)
√ルート(プロフ) - くしぇるさん» 処女作でそんなことを言って頂けるなんて感謝感激雨あられです！新作でお会いできたときには、応援して下さると嬉しいです！ (2018年4月28日 11時) (レス) id: 46231e2a59 (このIDを非表示/違反報告)
くしぇる(プロフ) - めっちゃ面白かったです！！ (2018年4月26日 21時) (レス) id: bc0907c9ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：√ルート | 作成日時：2018年3月27日 23時
