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「……ゆうとくん、ぎゅーして」


俺の嫌いな夏。
じりじりと焼けつくような暑さに負けて、涼しい部屋で愛しのやまとゆったりしてたとき。


突然、やまが発した言葉。
えっ、今日はデレの気分なんですか山田さん。

あくまで平然を装って答える。


「急にどうしたの、」

「だって……今日ね、ハグの日……だから、俺らもぎゅー、したい」

「いいよ、ほらおいで?」


ソファーに座った俺の太ももをぽんぽん叩いて、やまをそこに乗せる。

……え、違うよ、なんで背中向けてくるの?笑
ぎゅーしたいなら俺のほう向いてよ。


「っあ、や、やっぱいいっ、なんか恥ずいっ……!」

「ほぉーら、いいからこっち向いて」

「やっ……!ぅ……むり、はずい、かおみれない、」

「なら見なくてもいいよ、ほらぎゅー……」

「ん……あったかい…ゆうとくんの、匂いだぁ……」


なんなのこの子。
いっつもツンツンしてるくせに、たまーにデレるときは本当にかわいいんだから。

ちょこんと座ってるやまを抱きしめてあげると、控えめに腕を回してくる。
あら健気。

そして顔がりんごみたいに真っ赤っか。
ふふ、照れ屋さんなやまも好きだよ。


「ね、ゆうとくん……ちゅーも、したい……」


俺の腕からするっと抜けて、まっすぐ俺を見てやまが言う。
吐息混じりの声で、心なしかとろんとした目で。

あーかわいい……でも、ちょっとだけ意地悪したくなっちゃった。


「んー?ごめん、もっかい言って」

「な、なんで…!絶対聞こえたでしょ、」

「聞こえなかったんだって、なんて言ったの?」

「う……こういうことっ…!」


しつこく言うと、ちょっと迷ったあとさらに真っ赤になった顔でちゅっと唇を押しつけてきた。
やまにしては大分頑張ったんだろうけど、望んでるのはこんなのじゃないんでしょ?


「ふふ、かわいい……ごめんね、本当はちゃんと聞こえてた」

「や、やっぱりっ……ゆうとくんのばか!」

「ごめんって、でもやまがかわいいのが悪い」

「なにそれ…っんむ、!んぅ……ふ……ゆ、とぉ、」


ぷりぷり怒ってる姿もかわいくて、結局我慢できなくなって。
目の前にある美味しそうな唇に噛みついた。

舌を絡めてあげると、ゆらゆら揺れてるやまの腰。
ふふふ、それ無意識なの?ほんと体は素直だね。

*→←ymcn*



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作者名:あくる | 作者ホームページ:http//  
作成日時:2017年9月29日 21時

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