【d!】新人詐欺師は私の心も騙してる？【ci】 (ページ18)

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16個目の嘘。ページ18

sideA

金曜日...
1週間仕事頑張った。
あれからも何度かしんぺいさんと目が合うことがあったが
あちらから話しかけると言うこともなく
もちろんこちらから話しかける理由も無いので
特に話すこともなく。
1週間が過ぎていった。
そんな金曜日の後半。
いつも通り私が仕事を終わらせて帰ろうと部署を出ようとした時。

しんぺい「ちょっといい？」

『っ？！』

突然腕を引かれた。
急なことに頭も体も追いつかない。
ただ目の前にはしんぺいさん。
後ろは壁。
手はしんぺいさんに壁に押し付けられている。

『な...なんですか...？』

しんぺい「あのさ、俺の事わかってるでしょ？」

『えぇ...同じ部署の先輩ですし...』

しんぺい「はぐらかさないの。嘘つくんだったらその辺の空いてる会議室で襲うけど」

『知ってます！！知ってますごめんなさい！』

しんぺい「よろしい。誰から聞いたの？」

『えっと...トントンさんです...』

素直にそう言うと、しんぺいさんは私の腕を離し普通に壁ドンをした。
耳元で内緒だからね？と私に言う。
耳が死にそう...
幸せかよ...
もちろんです、と返せば
彼は離れていく。

しんぺい「ごめんね？怖がらせちゃったかな...」

『大丈夫です！寧ろ尊敬してるので...』

しんぺい「てか、トントンと面識あるってどういうこと...？」

『えっと...先日我々だの方とコラボさせて頂いたノダア...という者です...』

しんぺい「え...ごめんなさい？！ノダアさんって知らんかって！」

『いえいえ...！寧ろこちらこそすみませんでした！』

焦ってしまっているのか、いつもはあまり聞かない関西弁が聞こえる。
すぐに頭を下げられてこっちも反射で頭を下げてしまう。
そんな焦る様な相手でもないのに...

しんぺい「うっわ...すいません...今度ご飯でも奢ります...」

『いや！大丈夫ですよ？！』

しんぺい「そうでもせんと俺の気が済みませんし...」

『じゃ...じゃあ、お言葉に甘えて...今度ご飯行きましょう』

しんぺい「...天使やん...」

『そんな...！普通ですよ！』

しんぺい「そうですかー？まぁ、ご飯楽しみにしてますね！引き留めちゃってすみません。じゃあお先に失礼します！」

『はい！お疲れ様です！』

そのまましんぺいさんは帰ってしまった。
私もしんぺいさんの背を見送って帰った。

ショッピさんとのご飯、会社メンバーとのご飯...
もう予定がいっぱいだ。
嬉しい予定だが。