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「捕まえたぁ」
「ヒェ」
もう、本当に何なんだ。結局、追いつかれて、捕まってしまった…
連行され、路地裏であろう場所に連れてかれた
「…」
「…」
「…」
灰谷さんは私を無言で見つめて、隣の派手な髪の子はこの状況に困惑しているのか、交互に私と灰谷さんをチラチラ見ている
私はというと、下を向いている。最初は前を向いていたが、灰谷さんと目が合いすぎるので、前を向けなくなった…そして、今の沈黙タイムに至る
きっと、今も派手髪の子は困惑しているのであろう…
……もう、本当に逃げたい
(泣きそう…怖すぎるよ、この状況。空気。空間)
たが、
「何で、お前ら黙ってんの?」
…やっと、この状況を作った張本人が喋り出した。私は顔を少しだけあげた
「いや、兄ちゃん…この人誰だよ?」
派手髪の子が灰谷さんに質問し…
「え?兄ちゃん?」
驚いた私は思わず、顔をバッとあげた
「そうだよ、コイツ俺の弟」
弟くんの質問を無視して、隣を指差した。
「そんで、竜胆コイツは小山A」
そして、私の隣に来て、肩を抱いていった
「えっと、小山Aです。はじめまして」
「あっ、灰谷竜胆です。兄ちゃんが、お世話になってます(?)」
見ての通り、灰谷さんの弟くんと軽い自己紹介をした…私の肩離してくんないのかな。凄く、近い…
「まあ、そういう事だから、竜胆よろしくな」
意味不明な事を言って、灰谷さんは私から離れた
「えっ!?…分かった」
弟くんは何故かビックリして、だけど、すぐ冷静になって私に会釈した
何なのかよく分からないが、帰れそうな気がしてきた
「じゃあ、小山、入り口まで送ってくるから」
「竜胆、先行っとけ」
「ん、分かった」
弟くんは、此処より暗い向こうへ消えていった
「小山、行くぞ」
無言で、光のある方向に私と灰谷さんは歩き出した
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作者名:chzi58191 | 作成日時:2022年11月9日 22時