蜂蜜の愛の海に溺れています。【中原中也】短編集 (ページ22)

今日:4 hit、昨日:20 hit、合計:389,460 hit

honey１２　[告白]前編　※神桜月さんページ22

-神桜月さんリクエスト有難うございます！

　今日は何か足りない。

　何が足りないの？ ‥‥‥‥‥あ、欲求不満ですか‥‥ だって？

　違う！！！ ‥‥‥厭、違わないかも。

　何か中也が好きすぎて好きって云い足りない。

　そんなに沢山言ってる訳じゃないんだけどね。

　如何したらいいだろうか‥‥‥‥‥‥‥

　私は中也依存症か‥‥‥‥‥ まぁ、‥‥‥そうだね。

　考えずに云う時は何ともないんだよ？

　でも、改めて云うってなると‥‥‥‥‥照れ臭い。

　よし！云い足りないなら満足するまで云ってやるだけだ！！！

　私は珈琲を中也の所に持って行って、

　『ねぇ、中也。』

　呼びかけると、直ぐにン？と顔を上げた。

　『やっぱ何でもない。』

　そして、直ぐに机に戻る。

　椅子に座り、机とにらめっこする。

　厭イヤ厭‥‥‥カッコ良すぎるだろ‥‥‥‥

　何だよ。ン？って！！！

　何処にカッコいい要素があるか？

　全部だよ！！！

　【ぜ・ん・ぶ・！！！】

　厭、中也と云う存在自体が尊い。

　キャラが変わったって？‥‥‥‥そんなの如何でも良いんだよ！！！

　その後、何百回と挑戦するも‥‥‥

　『‥‥‥無理‥‥‥やっぱり云えない。』

　「Aにもそんな一面があるとはのう。」

　と、姐さんは口元を着物の袖で隠し、綺麗に笑う。

　『如何したら良いのだろうか‥‥‥‥』

　「視線が合うから云えないのじゃろう？」

　――――― では、目を合わせなければ良いではないか ―――

　『姐さん有難う！！！！』

　姐さんの手を取り、チョコを渡すと部屋を飛び出した。

　「恋する乙女は此れまた恋いのう。」

　走って中也の執務室へ戻る。

　扉を開けると其処には誰もいなかった。

　ビルの中を探し回る。

　書類室にも、仮眠室にも、自販機コーナーにも、塵箱にも居ない。

　その後もありとあらゆる所を探し回るが、

　『何処にもいない。』

　ほぼ全ての体力を使い果たしてしまった。

　廊下の椅子に座り伸びる。

　意気消沈し掛けた処で、

　奥の曲り角から書類を持った見慣れた人影が現れる。

　『あれは中也では！？』

　後ろ姿を見て予測する。

　逃さないぞと後ろから中也に突進する。

　「うおっ！」

　ぎゅっ )) と中也のお腹に回した手に力を籠める。