蜂蜜の愛の海に溺れています。【中原中也】短編集 (ページ3)

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honey２　[逢引] ページ3

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　『ふんっふふ～ん♪』

　今日はとても気分が良い。

　何故かって？

　『あ、中也～～～！』

　呼ぶと木陰に腰掛けていた中也は立ち上がって此方に近づいてきた。

　『お待たせ。』

　「全然待ってねェよ。ってか1時間前だ。」

　そう、3か月ぶりの非番で今日は逢引なのだ！！

　楽しみ過ぎて、本当は5時間前に来ようとしてた。

　うわぁ♪‥‥私服姿見たの久し振りだ‥‥

　『･･････今日もかっこいい。』

　思わず零れたその言葉に、如何しようかとあたふたする。

　『いや‥‥あの‥‥その‥‥‥‥‥‥‥ええと‥‥‥』

　ぎゅっ ))

　視界が一気に暗くなる。

　「今日も可愛いな。」

　いきなり抱き締められて云われるから顔が赤くなっているのが分かる。

　「‥‥っは‥‥どんだけ初心なんだよ。ま、そんな処も可愛いンだけどな。」

　中也が腕を解こうとするから、

　『未だ‥‥駄目。』

　ギュッと腰に腕を回して抱きつく。

　中也のいい香りがする。

　―――― ・ ――――――――― ・ ――――――――― ・―――

　中也side

　「‥‥‥‥‥‥‥早く来すぎたな‥‥」

　時計を見ると5時を指している。

　待ち合わせは6時だったんだけどな‥‥‥‥‥

　昨日はAが惚けた後、

　明日は休みなさいと首領から仰せつかって、

　逢引に誘った。

　木陰に腰を下ろして、

　Aの何処に惚れたのか改めて考えてみる。

　付き合い始めたのが俺が２０の時だったな。

　告白した時の事は‥‥‥‥‥‥‥恥ずかしくて考えられねぇ‥‥‥

　Aは俺の補佐で、

　良く仕事ができる。

　「珈琲の入れ方も上手ぇんだよな。」

　彼奴、マフィアに居るくせにすっごい親切なんだよ。

　階段の下でお祖母ちゃんがヒーヒー云ってると、

　あの細くて小さな体でお祖母ちゃんと荷物を背負って

　駆け上がろうとしてたっけな。

　結構男っぽい処がある割には‥‥‥‥‥

　‥‥‥‥いや、殆どが男っぽいな。

　部下と接する時は容姿があれだったら、

　完全な男だな。

　『中也～～～！』

　聞きなれた声の方がするとAが此方に向かって走っていた。

　ジーンズに白いブラウス。

　『お待たせ～』

　俺の前に来たA。

　首にはネックレスをしていた。

　今日もかっこいい。と云うと、

　遣ってしまったというばかりに慌てだす。

　ったく、どんだけ俺を惚れさ心算だよ。