犬猿の仲 ページ47
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飯田と焦凍、常闇と勝己の試合が終わり、決勝戦は焦凍と勝己によって行われることが決まった。
観客席からその様子を見ていたAは、勝己が無事に決勝に駒を進めたことに安堵しつつも、僅かに複雑な心境で決勝のことを考えていた。
出久戦で自分の力を受け入れ炎を使った焦凍だったが、飯田戦ではまたもや氷だけで相手を制した。
表情に迷いが見える。
焦凍は、出久戦以降、どうすべきか戸惑っているようだった。
一方の勝己はというと、体育祭以前から焦凍の強さには一目置いていた。
出久との戦いのなかで炎を解放した焦凍を見て、勝己の闘志にも俄然火がついたことであろう。
勝己が望むのは完膚なきまでの1位である。
最大限個性を発揮した焦凍を、さらに上からねじ伏せる。
そうしないからには、勝己が渇望している勝利というのは得られないのだろう。
選手控え室で、焦凍は自身の左手を見つめながら、Aと出久の言葉を繰り返し思い返していた。
(焦凍くんが目を背けているもの)
(私、見てるから。ありのままの焦凍くんのこと見てるから)
(君の力じゃないか！！)
二人の言葉が何度も脳裏をよぎる。
(あいつらと戦うまで"考える"なんて…考えもしなかった。お母さん、俺は…)
その時、唐突に控え室の扉が何者かによって蹴破れた。
「あ？あれ！？なんでてめぇがここに…控え室…あ ここ2の方かクソが！！」
静かだった控え室が一転、突然の来訪者によって騒がしくなった。
現れたのは決勝戦の相手である勝己で、自分で部屋を間違えたくせにまるで焦凍を罵るかのような言葉に、焦凍は思わず絶句した。
「部屋間違えたのは俺だけどよ…決勝相手にその態度はオイオイオイ…」
何も言わずに勝己を無視したのが気に触ったらしく、勝己はゆらりと焦凍に近づくと、なんの前触れもなく焦凍が座っていた机の表面を爆破した。
どこ見てんだよ半分野郎が、という怒鳴り声もセットである。
威嚇するつもりで取った行動だったが、勝己の意に反して、焦凍は小さく笑った。
「それ…緑谷にも言われたな。あいつら、無茶苦茶やって他人が抱えてたもんブッ壊してきやがった」
穏やかな口調で焦凍が言った。
呆れたような、どこか嬉しそうな――そんな様子だった。
「幼馴染なんだってな。昔からあんななのか？緑谷とAは…」
勝己はギリッと歯を噛み締めた。
「気安くAの名前呼んでんじゃねえ！そんであんなクソナードはな…どうでもいんだよ！！」
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スカイ(プロフ) - コメ返してくれてありがとうございました！めっちゃ面白い...最高です！今後に期待します！ (2018年6月19日 20時) (
レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
卯月(プロフ) - スカイさん» 感想ありがとうございます！勢いで書きなぐっておりますが、楽しんでいただけたようで嬉しいです＾＾ (2018年6月17日 23時) (レス) id: 23b7097a95 (このIDを非表示/違反報告)
スカイ(プロフ) - 本当に好みのシチュです！完結まで絶対見ますねー (2018年6月17日 19時) (レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
スカイ - 面白いです！頑張ってくださいね！ (2018年6月17日 16時) (レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卯月 | 作成日時：2018年6月13日 14時
