第二関門2 ページ33
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勝己はその時、前方に見覚えのある後ろ姿があることに気がついた。
現在トップを走っている轟焦凍はもうすぐ第二関門であるザ・フォールを抜けるところである。
その後方を走る女子生徒がいた。Aだ。
「オイいつの間に一人になったんだよ！」
勝己は一気に加速すると、Aを抜かし際にそう叫び、Aが渡っているロープの先にある崖に着地した。
『げっ勝己…！』
もう追いついたの、と言いたげにAは顔をしかめる。
勝己が後半追い上げてくることはわかっていたが、ここまで早いとは思わなかったのだ。
「計画が失敗したか？ざまあねえな！」
『こんなステージが用意されてるとは思わなかったの！超誤算……、わっ！！！』
バランスを崩し危うく落下しそうになったAは、すんでのところで持ち直した。
落下すればその時点で即脱落である。
『っぶなー！！今まじで話しかけないでほしい！ていうか何してんの！？早く先行けば！？』
声を荒げたAに、勝己はムッとして両手から黒い煙をあげた。
「うっせえ！はじめからあの半分野郎じゃなく俺のこと頼ってれば難なくゴールまで行けたのに残念だったなA！」
『何その言い方むかつく！ていうか、そうじゃん！なんで気づかなかったんだろ勝己に連れてってもらえばいいんじゃん！』
綱を渡るのに必死で気がつかなかったが、勝己の爆速ターボでは崖から崖へと飛び移ることができる。
それを考えると真面目に綱渡りをしている自分が急にバカに思えてきた。
後続もぞくぞくと追いついてきてるようである。
勝己を使わない手はない。
『勝己ごめん！お説教ならあとでたっぷり聞く！だから私のことゴールまで、―――！』
あと一歩で綱を渡りきるというところで最後の最後に気の緩みが生じたのか、Aは綱を踏み外した。
一気にバランスを崩し、行き場を失った足が空を踏む。
(まず…！)
落下を覚悟してAは強く目を瞑った。が―――
パシッ
不意に手首を掴まれ、グンと強い力で引かれる。
驚いて目を見開くと、目に映ったのは間一髪のところで落下するAの手を掴んだ勝己の姿だった。
勝己はAを見下ろし、Aは勝己を見上げる姿勢で止まった。
視線が重なる。
驚いているのはAだけでなく、勝己自身も自分のとった行動に動揺しているようだった。
『勝己……、あ、れ？まだ私個性使ってないんだけど…なんで……？』
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スカイ(プロフ) - コメ返してくれてありがとうございました！めっちゃ面白い...最高です！今後に期待します！ (2018年6月19日 20時) (
レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
卯月(プロフ) - スカイさん» 感想ありがとうございます！勢いで書きなぐっておりますが、楽しんでいただけたようで嬉しいです＾＾ (2018年6月17日 23時) (レス) id: 23b7097a95 (このIDを非表示/違反報告)
スカイ(プロフ) - 本当に好みのシチュです！完結まで絶対見ますねー (2018年6月17日 19時) (レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
スカイ - 面白いです！頑張ってくださいね！ (2018年6月17日 16時) (レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卯月 | 作成日時：2018年6月13日 14時
