第二関門 ページ32
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焦凍はすぐさま攻撃の準備に入った。
せっかくならもっとすげえの用意してもらいてえもんだな、と思いながら。
「…クソ親父が見てるんだから」
低い声で焦凍が呟いたのを、Aは聴き漏らさなかった。
焦凍の右手が素早く空気を裂く。
氷が一瞬にして仮想敵を包み込み、瞬く間に再起不能となった。
「行くぞA」
『はい！』
再び走り出したAは、仮想敵の隙間を通り抜けている途中で上方からバキバキと氷に亀裂の入る音が聞こえることに気付いた。
(凍らせ方が甘い！そうか、後続を断つために…！)
「あいつが止めたぞ！あの隙間だ！通れる！」
すぐさま焦凍の意図に気がついたAは慌てて後ろを振り返り、大声で言った。
『来ちゃダメ来ちゃダメ！これもうすぐ崩れ…―――！』
Aの心配も虚しく、不安定になった仮想敵は近くにいた生徒を存分に巻き込みながら一瞬にして崩壊した。
『よ、容赦ないっすね！？焦凍さん！！』
焦凍が瞬殺した仮想敵と砂塵の舞う後方を振り返りながらAが興奮気味に言うも、当の本人は「そういう勝負だろ」と冷静である。
「1-A轟！攻略と妨害を一度に！こいつぁシヴィー！！あとさっきから手繋いでんのなんだ！？王子様気取りかコノヤロー！！」
「『………』」
プレゼント・マイクのからかうような煽りに焦凍がジトッとした目つきでAを見つめる。
これにはAも『ハハハ…』と曖昧な苦笑いを返すことしかできなかった。
「オイオイ第一関門チョロいってよ！んじゃ第二はどうさ！？落ちればアウト！それが嫌なら這いずりな！ザ・フォーーーーール！！！！」
早くも第二の関門であるザ・フォールにたどり着いた焦凍とAは瞬時にお互いの顔を見合わせた。
絶壁に橋のようにロープがかけられ、それ以外に道はない。
つまり、このロープを綱渡りの要領で渡れということだった。
『よし！これ以上は手繋いで進めないね！ありがとう焦凍くん、こっから先は一人で行きます！』
パッと繋いでいた手が離れ、晴れて焦凍は自由の身となった。
「…わかった。先に行くぜ」
綱を渡り始めた焦凍に続き、Aも慎重に足を踏み出す。
もともとバランス感覚はいい方なのだ。
よっぽどのことがない限りは落下する心配もなさそうだし、勢いをつけて一思いに渡りきってしまえばそれほど苦戦するわけでもなかった。
背後からは爆発音が近づいて来ている。
もう来やがったか勝己め、とAは思った。
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スカイ(プロフ) - コメ返してくれてありがとうございました！めっちゃ面白い...最高です！今後に期待します！ (2018年6月19日 20時) (
レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
卯月(プロフ) - スカイさん» 感想ありがとうございます！勢いで書きなぐっておりますが、楽しんでいただけたようで嬉しいです＾＾ (2018年6月17日 23時) (レス) id: 23b7097a95 (このIDを非表示/違反報告)
スカイ(プロフ) - 本当に好みのシチュです！完結まで絶対見ますねー (2018年6月17日 19時) (レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
スカイ - 面白いです！頑張ってくださいね！ (2018年6月17日 16時) (レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卯月 | 作成日時：2018年6月13日 14時
