第一関門 ページ31
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焦凍が早くも独走体制に入り、生徒観客ともに視線が焦凍に集中するが、問題は焦凍よりも焦凍に手を掴まれてともに並走している女子である。
「おいなんだあれ！？」
「なんだあの子！？」
どれだけ周りの敵を蹴落とせるかにも重きが置かれるこの障害物競争で、予想だにできなかった異様な光景である。
「あんのヤロウ…！」
一人、鬼の形相をしているのは勝己である。
すぐにあれは焦凍の意思ではなく、小夜の個性によるものだとわかったが、それでも釈然としなかった。
小夜のことだから障害物競争は個性を使って上位に食い込む誰かに便乗してくるだろうとは思っていたが、小夜が自分より焦凍を選んだことに納得がいかなかったのである。
「そうかい俺よりあの半分野郎の方が安心してゴールに辿り着けそうってか…？」
勝己の両手から黒い爆煙が上がる。
「そう上手くいかせねえよぶち抜いてやらぁ！！！！」
爆速ターボで人混みを抜けた勝己に続き、八百万、切島、青山といったA組の面々も持ち前の個性と身体能力を最大限に発揮し最初のふるいを突破する。
出久や峰田、お茶子も何とか氷を回避し、突破した人数から他クラスの生徒のなかにもチラホラ腕の立つ個性の使い手がいるのがわかる。
「クラス連中は当然として思ったよりよけられたな……。で？」
戦況を確認しつつ走り続ける焦凍が、軽い足取りで後ろをついてくるAに向かって言った。
「説明してもらおうか？A」
『あれ？バレてる？』
「バレてるも何も、こんなことすんのも俺にできんのもお前だけだろうが」
呆れたような焦凍の口調にAは思わず笑ってしまった。
『まあ大丈夫！ちゃんと右側使えるように手繋いでるし！』
「よくわからねえよなんだよその配慮」
『え、ていうかほんと、私が言うのも何だけど私のこと気にしないで目の前のことに集中してほしい。そしてできれば高順位でゴールしてほしい』
「………」
くつくつと笑うおどけた様子の小夜に、怒る気力も失せてしまった。
これが憎めないやつの厄介なところだ。
焦凍は大げさにため息をつくと、仕方がないといった風に静かに言った。
「…ゴールは俺に先にさせろよ」
『もちろんです焦凍さん！！ ……あっ前！』
突如として現れた大きな影に二人は素早く立ち止まった。
生徒を待ち構えていたのは入試用の仮想敵だった。
「さあいきなり障害物だ！まずは手始め…ロボ・インフェルノ！！」
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スカイ(プロフ) - コメ返してくれてありがとうございました！めっちゃ面白い...最高です！今後に期待します！ (2018年6月19日 20時) (
レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
卯月(プロフ) - スカイさん» 感想ありがとうございます！勢いで書きなぐっておりますが、楽しんでいただけたようで嬉しいです＾＾ (2018年6月17日 23時) (レス) id: 23b7097a95 (このIDを非表示/違反報告)
スカイ(プロフ) - 本当に好みのシチュです！完結まで絶対見ますねー (2018年6月17日 19時) (レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
スカイ - 面白いです！頑張ってくださいね！ (2018年6月17日 16時) (レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卯月 | 作成日時：2018年6月13日 14時
