障害物競争 ページ30
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「さて運命の第一種目！！今年は…コレ！」
浮かび上がったモニターに映されたのは、障害物競走の五文字だった。
「計11クラスでの総当たりレースよ！コースはこのスタジアムの外周約4km！我が校は自由さが売り文句！コースさえ守れば何をしたって構わないわ！」
ミッドナイトの説明に一同がごくりと固唾を飲んだ。
(何をしたって構わない、ということは…)
薄々わかっていたが、要は個性有りの何でもレースだということだ。
Aは自分の個性にとって分がある種目だと思った。
何か算段があるらしく、口元だけで小さく笑っている。
(問題は誰に目をつけるか、だ。4kmっていうのもネックだな…一定のスピードを保ったままどこまでついていけるか…)
100m以上の距離は長距離だと思っているAである。
4kmという距離に若干ビビりながらも、やるしかないかと腹を括った。
スタートにつくよう促され、生徒たちがぞろぞろとスタートゲートの前に集まる。
できるだけ前の方に位置取りが出来るよう、人の間を縫って進みながらAはキョロキョロとあたりを見渡した。
(スタートゲート、かなり狭くしてある。早いうちに見つけとかないと…)
全学科11クラスもの生徒が一箇所に集合しているのでかなりの人口密度である。
A組の生徒もちらほら見えるが、お目当の人物は見つからない。
(出久…違うな。お茶子ちゃん…も、違う。飯田くんか…スピードだけは折り紙付きだけどどこまで機転がきくか…ええーとやばいやばい、時間がないぞ、誰にしよう誰にしよう…)
その時Aの目に、見覚えのある赤と白の二色の髪の毛が見えた。
Aの目が光る。
(やっぱり―――)
焦凍くんしかいない！！
「スターーーーーーーート！！！！！！！！」
スタートの合図とともに我先にと生徒が飛び出したが、ほとんどの生徒は狭いスタートゲートに一度に人が集中したことでうまく身動きが取れず、前に進めない。
人混みに押しつぶされながら出久はハッとした。
(つまりここがもう…！)
「…最初のふるい」
焦凍の個性が発動した。
あたり一面が一斉に凍り、生徒たちは次々に足をとられ身動きが取れなくなる。
「ってぇー！何だ凍った！動けん！」
「さみー！」
「んのヤロォォォ！」
悲鳴の嵐のなか、焦凍は先頭を切って走り出した。
―――Aの手を引いて。
「「「なっ…！？」」」
A組の生徒はもとより、誰しもが驚きの声をあげざるを得なかった。
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スカイ(プロフ) - コメ返してくれてありがとうございました！めっちゃ面白い...最高です！今後に期待します！ (2018年6月19日 20時) (
レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
卯月(プロフ) - スカイさん» 感想ありがとうございます！勢いで書きなぐっておりますが、楽しんでいただけたようで嬉しいです＾＾ (2018年6月17日 23時) (レス) id: 23b7097a95 (このIDを非表示/違反報告)
スカイ(プロフ) - 本当に好みのシチュです！完結まで絶対見ますねー (2018年6月17日 19時) (レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
スカイ - 面白いです！頑張ってくださいね！ (2018年6月17日 16時) (レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卯月 | 作成日時：2018年6月13日 14時
