開会式 ページ29
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『なんか…珍しかったね。どしたの？』
学科ごとの入場を終え開会式が始まった。
たまたま焦凍が近くに並んでいたのでそっと寄って行って話しかけてみるも、焦凍はAの方を一瞥し「別になにも」とだけ答え、すぐにまた壇上のミッドナイトに視線を戻した。
おや、これはかなりピリピリしてるな、とAは思った。
体育祭に対して意気込みもしていないAは、自分のこういう態度は真剣に取り組もうとしている焦凍たちからしたら目障りかもしれないと瞬時に思い、すぐにその場を離れようとした。
「あ…」
焦凍は遠ざかろうとするAの腕を掴んで引き止めた。
引き止められるとは思わなかったので驚いてAが振り返ると、少し気まずそうに焦凍が言う。
「…今のは態度悪かった。すまねえ」
『や、集中してたよね！ていうかごめん、目障りだったよね』
「いや、別にそんなことは…」
『あの！私ほんとに応援してるから、焦凍くんのこと！あれ？や、待って違う、なんかこれだとハナからやる気ないやつみたいだな、そうじゃなくてえっと…』
訂正すればするほど頭がこんがらがっていくAを前に、焦凍は思わず口元を綻ばせた。
「わかってる。頑張ろうなってことだろ」
『あ…うん！そう』
「…おかげで緊張がほぐれたよ。しょっぱなからガンガン動けそうだ」
『ええ〜？緊張してたぁ？』
Aが軽口を叩いた時、わっと壇上の方が騒がしくなった。
何事かと目を向けると、騒ぎの中心にいるのは例の幼馴染、勝己である。
どうやら選手宣誓で放った一言が他学科の怒りに火をつけ、ブーイングの嵐になっているようだった。
他学科からの批判はともかく、なぜA組の立場を悪くさせるのかとA組の生徒からも批判の声があがっているのでもう散々である。
「あいつも変わったやつだよな」
『あ〜…うん、そうね。変わってるっていうかやばいっていうか』
「緑谷もあいつも幼馴染なんだろ？幼馴染3人で雄英のヒーロー科にいるのはすごいと思うが、おまえも含め全員変だな」
『えっちょっと待って、ごめんごめん何？私も同じくくりに入れられてるの？驚愕の事実すぎて動揺がおさまらないんだけど！正直体育祭どころじゃないんですけど！！』
選手宣誓を終えた勝己がもといた場所に戻ろうとした時、壇上の上から楽しげに話すAと焦凍の姿が見えた。
んだよあいつら、目障りだな、と勝己は心の中で毒づく。
集中させろやゴラと思わずにはいられなかった。
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スカイ(プロフ) - コメ返してくれてありがとうございました！めっちゃ面白い...最高です！今後に期待します！ (2018年6月19日 20時) (
レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
卯月(プロフ) - スカイさん» 感想ありがとうございます！勢いで書きなぐっておりますが、楽しんでいただけたようで嬉しいです＾＾ (2018年6月17日 23時) (レス) id: 23b7097a95 (このIDを非表示/違反報告)
スカイ(プロフ) - 本当に好みのシチュです！完結まで絶対見ますねー (2018年6月17日 19時) (レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
スカイ - 面白いです！頑張ってくださいね！ (2018年6月17日 16時) (レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卯月 | 作成日時：2018年6月13日 14時
