1-A ページ3
『えっ待って出久。イケメンが…イケメンがいるね…？』
教室に入るなり出久の制服の袖をぎゅっと掴んでAが言うので、一体誰かと視線を巡らすと、No.2ヒーローとして名を馳せているエンデヴァーの息子、轟焦凍だった。
「A、轟くんのこと知らないの…！？よく雄英受けたね！？よく受かったね！？」
『し…知らん！完全にノーマークだった！友達になりたい…』
教室の中央では幼馴染の勝己と、制服をカッチリと着こなした絵に描いたような優等生の飯田天哉が早くも勝己の素行の悪さについて言い争いを繰り広げていた。
周りの生徒も、入試試験で同じ場所に集まっていたとはいえほぼ初対面であるということもあいまって、触らぬ神に祟りなしのスタンスを貫いている。
協調性のかけらも持ち合わせていない勝己が新しい環境にそうやすやすと溶け込めるとは出久もAも思っていなかったが、まさか入学式初日からこんなにも飛ばしているとは思わなかったので、二人ともげんなりした表情を浮かべた。
赤の他人を装って静かに席へつこうとした出久とAだが、出久が飯田に捕まってしまったので、仕方なくAは勝己へと話しかけた。
『…おはよ。一緒に行こうっつったのに無視しやがって』
「はっ、チンタラ歩くてめぇらなんざと一緒に登校できっかよ」
『ていうかネクタイは？あとその腰パンなに！？やめようよ〜同じ中学出身として恥ずかしいよ〜、あとブレザーより学ランの方が似合ってたね！』
「うるせえなどう着ようが俺の勝手だろーが！あとてめェの好みなんざ知るか！」
勝己の声音に熱がこもったところで1-Aの担任が教室へやってきたので会話はそこで途切れた。
担任は相澤消太と名乗るや否や、体育着に着替えて外へ出ろと指示を出す。
今日の日程は入学式とガイダンスだったような、と訝しげに思いながらもグランドへ集まった生徒たちは、唐突に個性把握テストを行うと告げられ、一同驚きの表情を見せた。
個性把握テストの概要は、中学生の頃から学校で行なっていた"個性禁止の"体力テストを、個性有りで行うというものである。
最下位の者を除籍処分にするという相澤の言葉に一同がざわつく中、Aが青ざめた顔で勝己の体育着の裾を掴んだ。
『えっやばいどうしよう。朝がっつりカレー食べてきちゃった。今全力疾走したら多分もれなく吐くんだけど、えっどうすべき？』
「うるっせえな知るかっ！！」
雄英高校での生活が、幕を開けた。
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スカイ(プロフ) - コメ返してくれてありがとうございました！めっちゃ面白い...最高です！今後に期待します！ (2018年6月19日 20時) (
レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
卯月(プロフ) - スカイさん» 感想ありがとうございます！勢いで書きなぐっておりますが、楽しんでいただけたようで嬉しいです＾＾ (2018年6月17日 23時) (レス) id: 23b7097a95 (このIDを非表示/違反報告)
スカイ(プロフ) - 本当に好みのシチュです！完結まで絶対見ますねー (2018年6月17日 19時) (レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
スカイ - 面白いです！頑張ってくださいね！ (2018年6月17日 16時) (レス) id: fe3517b453 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卯月 | 作成日時：2018年6月13日 14時
