めぐり愛の季節 (ページ10)

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⑩ ページ10

「今、俺の思ってる事が
間違ってたとしたら
ヒロは相当小悪魔だよ？
で、俺も相当バカ」

「こ、小悪魔って…」

両頬を押さえられたまま
太輔が俺の返答を待つ
余裕を見せたいのに
コントロールが全然効かなくて
頬に添えられていた手を
ゆっくりと外しちゅっと口付た

「好き…だよ」

消えてしまいそうな声
でも太輔にだけ聞こえれば良くて
手に触れていた唇を
太輔の半開きの下唇に押し付けた

伝えた想いは届いているだろうか
俺の精一杯の告白は…

太輔は膝を抱えたまま
俯いてしまった

「おい、何とか言えよ
俺小悪魔だったかー？？」

気持ちを伝えた後は
意外と楽なもんで
こちらに向いているツムジを
ツンツンと突いた

「もぉぉぉ！！」

「おわ！！
いきなり顔上げんなよ！」

「寝室！どっち！！」

部屋の勝手も知らないくせに
俺の手を引いて
ズカズカと進んでいく

「そ、そこ左…」

「ここね！」

寝室に入るや否や
ベッドに寝かされて太輔が跨る

「俺も好き！すげー好き！
だから、抱かせて！！」

上着を脱ぎながら
焦るように放つ言葉
乱暴なようだけど違う
俺も同じ、早く一つになりたかった
確かめたかった

まだ知らない事が
多すぎる俺たちだけど
それでも繋がりがあれば
それは嘘じゃないって思うから…
肌で感じたい
言葉だけじゃなくて
全身で感じたかった

「服…邪魔…」

この一言でお互い火が着き
雑に服を脱がし合いながら
唇を貪る

太輔は唇だけじゃなく
頬や額、瞼や耳、鼻、手
色んなところにキスをする
癖…なのかな…
少し太輔の過去を思う

「ねぇ、好きな食べ物は？」

キスを落としながらの質問

「肉？かな…
た、太輔は？…んっ…」

「和食好き、味噌汁とか
出汁から作ったりする…
兄弟は？」

「いない…
んっ…つか、お前どっちかに…っ」

キスの合間で
問いに答えるのが苦しい

「だって…
どっちも、どっちも早く知りたい
ヒロの心も身体も全部知りたい…」

「バカだなぁ…
俺はどこも行かないし
まずはゆっくり…こっち、だろ？」

そっと太輔の中心に触れれば
はち切れんばかり

「言ったね？」

少し目付きが変わる
そのまま首元に噛み付かれ
思わず仰け反った