あっしゅぼーい

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「何かあったらすぐ連絡して、飛んでくるから」




返事なんか出来ない
そんな頼ってばっかではいられないのに黙って俯いたままでいれば、玉のトントンと背中を擦る手と香りがあまりに俺を甘やかすからつい「ん…」と喉で返事をしてしまった




玉が帰ってから、シンとしたリビングで携帯を握りしめる
ずっとスルーしてしまっていた藤ヶ谷さんとのトークを開くと、瞬間新しいメッセージが飛んできて一方的にトークが進んでいく
「話したい」「会いたい」「今、家？」
冷静なイメージの藤ヶ谷さんからはちょっと想像出来ないくらいに煽るようにメッセージが送られてくる




話がしたい、と打つ手は少し震えていて…
深呼吸してから送信を押すと、もちろんすぐ既読になった
今すぐ行くという藤ヶ谷さんを押さえて、翌日の夜に会う約束をした
胸の真ん中が重くて石みたい…なんだこの感覚…




翌日職場で会った玉は特に何も聞いてこなかったけど、仕事終わりに会うとだけ伝えたら「そっか、頑張れ」とふわりと微笑んでくれた




気もそぞろに仕事を終え、藤ヶ谷さんに仕事が終わった旨を連絡をした
会う場所を特に決めていなかった
このタイミングで初めて部屋に呼ぶのも躊躇われたし、カフェとかじゃ話しにくいなと思っていたから「うちでいい？」との提案に少しホッとした
そして、まだ高鳴る鼓動に好きな気持ちを再確認してしまう




「別れ話になるかもしれないのに…」




ボソッと呟いて、藤ヶ谷さんの家へと足を向けた




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