あっしゅぼーい

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「あんなかっこいい人と一緒にいたら、好きになっちゃうんじゃない？」




「あぁ、そう、ねー…」




ん？ん？今なんて！？




「北山さん、流しましょうか」




「え、あ、はいっ」




いつの間にかカットが終わったことを知らせる鏡越しの藤ヶ谷さんは、笑顔だけど目の奥が笑ってない気がするのは気のせいかな？
ケープを外され首にタオルを巻いたまま、シャワー台へと移動する




横になり、チラッと下から藤ヶ谷さんを覗う
やべぇ、かっこいい…見蕩れてるとシャワーが勢いよく出始めた
あれ？あれ？




「あ、あの、藤ヶ谷さん、いつものあれ、顔にかけるやつは？」




「んー、今日はいいかなーって」




いやいや、あれないとめっちゃ恥ずかしいじゃん！
今日はいいとかないでしょ！




「や、かけてよ、気まずいじゃん！」




「ふふっ…北山さん、賭けしよ？」




「賭けぇ？」




言いながら手先は動いて、気持ちよくなっちゃうからつい甘ったるい声が出てしまった




「今日はフェイスガードかけないけど、その代わり一滴でも北山さんの顔にかかったりしたら…」




「したら？」




「おこわ、今度ご馳走する」




「なにそれ、逆に一滴もかかんなかったら？」




「俺の勝ちー、今日新しく入ったお家で出来るトリートメント剤をご購入くださいませ〜」




「んだよ、何か割に合わなくね！？」




ふふっと言いながらまた藤ヶ谷さんの指が心地よく動く
賭けはスタートしてるんだろうか…
かかれ、かかれと期待している俺がいる
でも知ってる、藤ヶ谷さんがシャンプーがうまいのなんて…
かかるわけなんて、ないんだ…




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