美ら海の美ら人 (ページ7)

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仕事に復帰して数週間がたった。

最初こそ申し訳なさで居た堪れなかったが、数週間も働くとそれも無くなるらしい。

人間って意外と図太い。

「Aさん、病み上がりだし、そんなスピード感でやらなくても大丈夫！今日はもう帰んな？」

ね？という感じで職場を追われる。

優しくて厳しい上司は、わたしの良き理解者。

だと思ってるけど、周りからはパワハラとかなんだとか言われている。

厳しい環境は学生時代から慣れっこだから、わたしには向いてるのかもなーなんて思いながら車に乗り込む。

ペーパードライバーだったわたしも運転には慣れてきた。

わたしが沖縄に配属されると同時に違う県に配属になった同期には運転荒すぎって怒られた。

いまはそんな憎まれ口叩いてくれる同期もいない。

あれ？寂しいかも。

そんなことを一人で考えながら運転していると、前に照史さんと出会ったビーチが見えた。

家から歩いていける距離だけど、今日は贅沢に車で行っちゃおう。

ちょうど夕暮れの時間で、オレンジの世界が広がる。

「まじで運命やない？」

後ろから突然声をかけられる。

その関西弁と、声ですぐにわかる。

「照史…さん……？」

おー覚えててくれたんや！とニコニコしながらわたしのとなりに腰を下ろす。

「あの後気づいたんですよ。あ、ヒルナンデスの人だーって。」

そう言うと、あ、気づいちゃった？とまたニコニコ。

「ヒルナンデス知ってるんやな！沖縄やっとらんやろ？」

「やってないですけど、わたし去年まで内地にいたんで。」

あ、そーやったわ。と舌をペロッと出す照史さん。

可愛いような、憎たらしいような。

「ジャニーズWESTって暇なんですか？」

ついつい叩いてしまう憎まれ口。

「暇ちゃうよ！？俺は暇を全て沖縄に使ってるだけや！」

そう言ってまた笑う。

きっとこの人、沢山の人に愛される人だなって思った。