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照史side



なんかもう最後、というようなAちゃんの挨拶に、我慢できなくなって抱きしめとった。



勝手に最後にせんでくれ……頼むから…



「……照史さん…?」



抱きしめた理由を何も言えずに、そのまま身体を離すこともできずに、俺はAちゃんをしばらく抱きしめた。



「照史さん…そろそろ飛行機…」



ちらっと顔を見ると真っ赤になってるAちゃん。



やっぱり、好きや。



「なぁ、ケータイ、貸して?」



そう言うと、Aちゃんのケータイに連絡先を入れていく。



律儀なこの子はきっとお礼や何かを送って来るやろう。



賭けや。




「ありがとうな、めっちゃ夕日が綺麗やわ。」



綺麗な夕日とAちゃんの横顔を見つめると、東京に帰りたくなくなる。



「じゃあ、そろそろ送りますね?」




そういうと、俺を助手席に乗せて車は走り出す。



空港に着くと、しっかり出発ロビーの前に車を停めてくれた。



俺的には中まで送って欲しいところやけど、人も多いし、万が一があると怖い。



「ほんまにありがとうな!また沖縄来るから。」



少しだけ寂しそうな表情を見せるAちゃんに期待してええんかな?とか思ってしまう。



「じゃあ、またな!」




そう言って助手席のドアを閉めると、控えめに手を振るAちゃん。



手を振りながら、建物に入った瞬間に思い出すことが一つ。




「あれ…俺福ちゃんとこの支払い………」







さいっあくや。



女の子にお金払わしたまま来てもーた。



いつもやとあっしやダイバー仲間たち男としか飲まんから絶対徴収されるから気にもとめんかった。



しかも酒飲んどったし代行も払ってくれたんやろう。




あー、最悪やんか。



今日行ったとこは全部出したけど…



やから帳消しになるって思っとるって思われとったらどうしよ?






いや、でもこれも次会う口実になるんやないかと、考え直して俺は東京に戻った。

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ちい(プロフ) - みなみさん» そう言っていただけて嬉しいです!ありがとうございます! (2018年12月3日 18時) (レス) id: 1ec6f62748 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - 続き、楽しみにしています。 (2018年12月3日 15時) (レス) id: 999b3498fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちい | 作成日時:2018年11月24日 21時

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